スウェットって何だろう?生地の種類や特徴について考える

普段から何気なく着用しているスウェット。

以前は寝巻きのような不憫な扱いを受けることもありました。最近ではその魅力が再発見され、シティウェアの定番としてシーズン問わず欠かせないアイテムとなっています。

しかしながら、スウェットの「生地」について詳しく知っている方は意外と少ないものです。

Tシャツやドレスシャツに使用されているコットン生地とは明らかに違う、あの独特の自然な風合いとリラックス感抜群の着用感…。

本日は、そんな身近なスウェット生地の持つ魅力と独特の風合いの秘密について少し掘り下げてみましょう。

1 実は、スウェット生地は「ニット」の一種

スウェットを着た人

見た目や肌さわりの違いから、スウェットとニットは全くの別物だと考えている方も多いようです。

しかし実際は、スウェット生地もニットの一種。そもそもニット(knit)とは「編み物」の総称ですので、毛糸を使っているかどうかは本来は関係ありません。

1-1 機械で伸縮するように編む「メリヤス編み」

スウェット生地は、綿糸を機械で同方向に引き出して伸縮するように編んでいく「メリヤス編み」と呼ばれる編み方で作られています。

手編みではなく、機械で作られているという点もポイントです。

メリヤス編みは、スウェット生地のみならずTシャツを始めとしたカットソー全般で用いられる編み方の1種。つまりスウェットもTシャツも広い意味では全て「ニット」に分類されるということになります。

ちなみにこのメリヤス編みを使って作られた生地は「メリヤス地」とも呼ばれ、様々な衣服を作る上での基本となる重要な素材です。

1-2 セーターとの違いは「糸」

同じ編み物とは言えど、セーターとスウェットでは見た目も肌さわりも全く違いますよね。

カテゴリー上は同じと言われても、やはり納得できません。

実は、セーターとスウェットの違いは「糸」にあります。セーターの糸には基本的にウール(羊毛)が用いられるのに対して、スウェット生地の糸はコットン(綿)を使って紡績されているのです。

コットンを使用していることこそが、スウェットをスウェットたらしめる所以であると言えるでしょう。

2 スウェット生地は元々「ウール」だった?

かつてスウェットの素材として使われていたウール

スウェット生地は、1900年の初期まではコットンではなくウールを使って作られていました。

保温性に優れた繊維であるウールを使ったスウェット生地は非常に人気が高く、フットボールやボートレースのチームユニフォームとしても用いられていたほど。

しかしながら考えてみれば、アクティブなシーンでウール素材のユニフォームを着用するのはちょっと暑くて不快ですよね。

そんな欠点を補うべく1920年に「Russell Manufacturing Company(ラッセル・マニュファクチャリング・カンパニー)」によって開発されたのが、コットンを使ったスウェット生地でした。

それ以来、コットンを使って作られるスウェット生地が主流となったと考えられています。

3 スウェット生地は2層構造になっている

スウェットは裏毛とパイル(フリース)の2層構造

実はスウェット生地は2層構造となっており、表と裏で生地の編み方が異なります。

3-1 生地の表面はメリヤス編み

生地の表面は先ほどご紹介した「メリヤス編み」の生地です。

綿糸を機械で同方向に引き出ようにして編んでいるため、耐久性や伸縮性にも富んでいます。

3-2 生地の裏はパイル or フリース

3-2-1 パイル

パイルとは、俗にいう「裏毛」と呼ばれるものです。

このタイプのスウェット生地を近くでよくみてみると、輪っかのような形をした糸が幾重にも並んでいるのがわかります。

セレクトショップなどで春夏シーズンに並ぶ薄手のスウェットの多くは、この裏毛タイプのスウェット生地がほとんど。吸汗性も高く、サラリとしたストレスフリーな着用感を楽しむことができます。

3-2-2 フリース

フリースとは、みなさんご存知の通り冬場に重宝される保温性の高い生地のことです。

パイルよりも優しい肌さわりが特徴的ですが、実はパイルをブラッシングして毛羽立たせたものがフリースになります。つまり元は同じものというわけです。

秋冬物のスウェットの多くは、裏面をフリース地にして防寒性を高めています。

4 異素材を混紡したスウェット生地もある

「スウェット = コットン100%」かと言われると、必ずしもそうとも限りません。

コットンに異素材を混紡して紡績した糸を使ったスウェット生地も存在します。

4-1 麻を混紡したスウェット生地

麻(リネン)を混紡したスウェット生地は、夏場に重宝します。

コットンのみで作られたスウェットよりも風合いがよく、涼感のある着用感が特徴的です。通気性にも優れているため、スウェットの内側に湿気が篭りづらく、肌へのストレスを軽減してくれます。

着込むほどに麻独特のヨレが出てくるのも魅力ですが、洗濯機などで強い摩擦を加えると形が大きく崩れてしまうこともあるため注意が必要です。

4-2 ポリエステルを混紡したスウェット生地

通常のコットンに加え、機能性繊維の1つとして知られるポリエステルを混紡したスウェット生地もあります。

コットン100%のスウェット生地と比べ、耐久性も非常に高く、洗濯後も乾きやすくてシワになりにくいという点が大きなメリットです。メンテナンス性抜群ですね!

ただし吸湿性が低いため、肌の弱い方などは汗が中にこもって肌荒れを引き起こす可能性もあります。

まとめ

今回は、意外と知られていないスウェットの「生地」についてご紹介しました。

言わずと知れた大定番のワードローブというだけあって、「灯台下暗し」な一面もありましたね。

非常にシンプルなアイテムだからこそ、生地に使われている素材、編み方、構造、バックボーンまで知ってから袖を通して欲しいと思っています。

そうすることで、また違ったスウェットの素晴らしさを感じていただけるはずです。