みなさんは、「おしゃれ着」をどのくらい持っていますか?
「おしゃれ着」はなんとなく「デリケートでちょっと高価なよそ行きの洋服」というイメージがある方もいらっしゃるかもしれません。
しかし最近では、安価な衣類でもかなり繊細に作られているものもあり、「おしゃれ着=ちょっと高価なもの」ではなく、「デリケートな素材を使った衣類全般」のことを指します。
そんなおしゃれ着を自宅でも洗濯できるよう、最近ではドラッグストアなどで「おしゃれ着洗剤」を見かけることが多くあるかと思います。
近年ではさらに種類が多くなっている「おしゃれ着洗剤」について、普通の洗剤との違いや具体的にどのような衣類が対象になるのか、詳しくご紹介します。
1 おしゃれ着の定義
おしゃれ着の定義は様々ですが、下記のような「洗濯する際に細心の注意が必要となる衣類」であると言えます。
1-1 洗濯によって縮みやすい素材の衣類
洗濯して干したらサイズが1サイズくらい縮んでいた…なんて経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
一見丈夫そうな素材でも、下記のような衣類はデリケートな素材であるため、気をつけたいものです。
縮みしやすい衣類の例
- ウールを使用したアイテム(ニットなど)
- リネン(麻)を使用したアイテム(シャツなど)
- コットン(綿)100%のアイテム(Tシャツなど)
- レーヨンを使用したアイテム(ブラウスなど)
1-2 型崩れしやすい衣類
洋服の型崩れは、縫製の不具合など崩れやすい要素を持っているものもあれば、生地の性質上型崩れしやすいものもあります。
型崩れしやすい衣類の例
- ウールを使用した衣類
- ポリウレタンを使用した衣類
主にニット系の衣類にありがちですが、着ているうちに伸びてしまったり、ハンガーにかけているうちに型がついてしまうなど、使っているうちに形が変化してしまう衣類も「おしゃれ着」と言えるでしょう。
1-3 高級素材や染め物、モチーフ付きの衣類
上記の他にも、製品染めのシャツやデニムなどや、女性物であればモチーフ付きのカットソーなども「おしゃれ着」の定義として当てはまるでしょう。
さらにそもそも水や摩擦に弱いシルクや、カシミヤなどのいわゆる高級素材も取り扱いが難しい「おしゃれ着」と言えます。
2 おしゃれ着洗剤と普通の洗剤との違い
では、一体「おしゃれ着用」洗剤と普通の洗剤にはどういった違いがあるのでしょうか?
2-1 一般的な洗濯洗剤は弱アルカリ性
一般的な洗濯洗剤は、「洗浄力」そして「ごわつき」を抑制するという2点を両立させるために「弱アルカリ性」であることが多いのです。
弱アルカリ性の中からさらに、洗浄力を追求した合成洗剤、油脂(ヤシや米ぬか)を原料としたせっけん洗剤の2種類に分かれます。
いずれにせよ洗浄力が強い分、デリケートな素材の洗濯には向いていません。
2-2 おしゃれ着洗剤は中性
一方、おしゃれ着洗剤は「中性」であることが多く、普通の洗剤と比べて衣類が縮みにくいようにシリコンなどが含まれているのが特徴です。
例えば、たんぱく質でできた素材であるウールやシルクは縮みを引き起こさないためにも、いかに負担を軽くし、優しく洗い上げるかが重要となります。
おしゃれ着洗剤は、一般的な洗剤と比べると洗浄力の点では劣りますが、毛玉やヨレを起こしづらい上に汚れや臭いも十分に落とすことができるため安心です。
ちなみに、普通の洗濯洗剤の中にも「中性」と表記されている製品もありますが、だからといっておしゃれ着を洗えるわけではありません。それは普通洗剤として洗濯の標準設定コースで洗うことが大前提であるものが多いため、注意が必要です。
3 おしゃれ着洗剤を使用すべき衣類の判断基準とは?
3-1 手洗いができるマーク
おしゃれ着洗剤を使用すべき衣類であるかどうかは、衣類の裾などについている「洗濯表示」を見れば確認することができます。
まず、ポリエステルなどの丈夫な素材を使用した衣類には「洗濯機で洗える」マークが確認できます。しかし、デリケートな生地や繊維を使用している衣類の場合には、「手洗い」のマークがついています。
この「手洗い」マークがおしゃれ着洗剤を使用すべき衣類と言えるでしょう。
いつも普段洗いしている衣類も、改めて確認してみるとこの「手洗いマーク」がついているかもしれません。今一度、お気に入りの衣類の洗濯タグを確認してみてください。
3-2 水洗い不可のマークは必ずクリーニングへ
一方で気をつけたいのが、水洗いマークにバツ印のついた「水洗いできない」マークです。このマークがついている衣類は、たとえおしゃれ着洗剤で洗濯しても傷ついてしまう可能性があります。
お気に入りの一枚を傷つけてしまわないよう、家庭で洗濯はせずにクリーニングに出すことをおすすめします。
また水洗い可のマークがある衣類でも自宅で洗うことに不安を感じる場合は、素直にクリーニングに出しましょう。
4 おしゃれ着洗剤で洗う際のポイントとは?
おしゃれ着の素材は繊細なものが多く、普段通りに扱うといくらおしゃれ着洗剤を使用しても劣化が激しくなったり、痛みやすくなってしまう可能性があります。
そうならないためにも、下記のポイントを意識して洗濯をするよう心がけることをおすすめします。
おしゃれ着洗剤で洗う際のポイント
- おしゃれ着同士が擦れて傷つかないよう、必ず洗濯ネットに入れる。
- 標準(おまかせコース)はNG。ドライコースもしくは手洗いコースで洗う。
- シワを付きにくくするために脱水時間を短くする。(10〜30秒以内に済ませるのがおすすめ)
- 脱水後はすぐに取り出し、風通しの良い日陰で吊り干しをする。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
一見難しそうにも思えるおしゃれ着の洗濯は、しっかりと洗濯表示を確認した上でおしゃれ着洗剤を使用することで、自宅でも気軽にお手入れすることが可能になります。
さらにおしゃれ着洗剤での洗濯でのポイントを抑えることで、あなたのお気に入りの衣類もできるだけ長持ちさせることにも繋がるかもしれません。
今一度ご自宅の衣類の洗濯表示を確認し、普通の洗剤とおしゃれ着洗剤をうまく使い分けて、お気に入りの衣類を綺麗に着てください。