色気漂うジバンシイの隠れた名香水「キセリュズ・ルージュ」

編集部スタッフが10年以上も愛用しているちょっと個性的なジバンシイの香水「XERYUS ROUGE(キセリュズルージュ)」。

当時色気のある香りを探してたどり着いたこの香水ですが、こと「色気」という点ではこれ以上の香りにはまだ出会えていないほど。

スパイシーでエキゾチックなテイストが強いため、決して万人に受ける訳ではありません。ですがその艶のある香りに一度触れれば虜になる方も多いはず。

今回は天才調香師によってブレンドされた、知る人ぞ知る一品をご紹介していきます。

オードリー・ヘップバーンに捧げられた香水「L’Interdit(ランテルディ)」でシーンに躍り出たジバンシイ

まずはジバンシイというブランドをちょこっと知っておきましょう。

フレンチ・モードの頂点のひとつとして、もはや知らない人はいないほどのブランド力を誇る「ジバンシィ」。

ユベール・ド・ジバンシィが1952年に立ち上げたこのブランドは、スマートな曲線美のドレスやブラウスなどで、立ち上げ当初から名声を獲得していきます。

中でもブランドの将来を大きく左右したのは、ユベール時代のジバンシィとオードリー・ヘップバーンとの関係。これはファッション史では極めて重要な出来事でした。

映画「麗しのサブリナ」(54)でのジャケット、「ティファニーで朝食を」(61)のカクテルドレスなどなど、名作映画に数々の色を添えてきたこのジバンシイとオードリーのペア。

ブランドとして特に成果を挙げたのが、1957年に設立された「パルファム・ジバンシィ」でオードリーに捧げられたとされる香水「L’Interdit(ランテルディ)」です。

ランテルデイは1957年に一般発売され、その2年後には初の男性向けフレグランスが発表されました。

以降はアパレルのみならず、コスメ、香水など様々なジャンルでジバンシイの世界観が拡大していくことになります。

メンズラインの隠れた傑作「XERYUS ROUGE(キセリュズルージュ)」

読み方は「キセリュズルージュ」、もしくは「キセルズルージュ」

一発で言える人をなかなか見たことがありませんが、サラッと言えるとちょっとかっこいいかもしれません。

ぜひトライしてみてください。

ちなみにネーミングの「キセリュズ」は、ギリシャ神話の神の名前のように見たてた造語です。

そんなキセリュズルージュは、ランテルディの一般発売からちょっと時間が経った1995年に発売されたメンズ用の香水。香水好きの中では知る人ぞ知る名香としても知られるちょっと通な一品でもあります。

実は1986年の「キセリュズ」がオリジナルで、「キセリュズルージュ」はそのアレンジ・エディションとして登場しています。

ジバンシィのメンズ用香水といえば爽やかな「ウルトラマリン」が有名ですが、色気あるキセリュズルージュも極めて高い完成度を備えた香水シーンに残る隠れた傑作です。

優しく移り変わるエキゾチックで官能的な香り

香りは濃密で魅惑的なオリエンタル・スパイシーの香りがベース。底深く官能的な香りが楽しめます。

特に楽しんでいただきたいのが、奥深く華やかな表面の裏に影を感じるような、ストーリー性の強いミドルノートです。

トップノート

クムクァット(キンカン)、カクタス(サボテン)、タラゴンなどが、コンテンポラリーな爽やかさを演出。少し甘くもさっぱりとしたフルーティー、グリーンなテイストも。

クレジットだけ見ると爽やかさ全開な雰囲気ですが、つけてみると意外にもスパイシーでドライなインパクトのある香り。

ミドルノート

シダー・ニードル、レッド・ピメント、アフリカン・パラゴニウム(ゼラニウム)など。ヴィヴィッドで男性的なスパイシーさの中に、ウッディな香りや、中性的な花の香りが現れます。

タバコのようなスモーキーさ、挑発的なベースも感じられるこのミドル。クレジットにはない香料の存在も感じられます。

ラストノート

ビターなミドルが続いた後は、最後にほんのりと甘いムスキーなテイスト。

クレジットはシダーウッド、サンダルウッド、ホワイト・ムスク、グレイ・アンバーなど。芳醇なウッディー・スウィートがキセリュズルージュらしさを完成させます。

退廃的な雰囲気すら漂わせるラストは、オリエンタルでムーディーな、艶と色気ある香りに。

調香は数々の傑作を生み出してきたアニック・メナルド

「調香会のモーツァルト」とも言われるジャック・キャヴァリエよりも鋭い嗅覚力を持ち、四半世紀に一人いるかいないかと言われる鼻の持ち主「アニック・メナルド」。

業界随一の気難し屋として知られる彼女ですが、同時に数々の傑作を生み出してきた人物としても知られています。

例えばブルガリの「ブルガリ・ブラック」、ディーゼルの「フューエル・フォーライフ・フェム」、ディオールの「ヒプノティック・プワゾン」、ロリータ・レンピカの「ロリータ・レンピカ」、ブシュロンの「ジャイプール・オム」などなど数多くの傑作を世に送り出しており、天才マエストロとして名を馳せています。

キセリュズルージュは、メナルドの中でも比較的初期の作品にあたりますが、メナルドの作品はミドルに印象的な深みが感じられます。

少し暗いミドルの雰囲気の中でもしっかりと香りの芯があり、ブレないストーリ性を感じられるのは流石の一言。

  • Brand : GIVENCHY
  • Item : XERYUS ROUGE 50ml
  • Price : ¥3,200(excluding tax)

気品と色気が感じられる個性的で魅惑的な香りを

キセリュズルージュは好き嫌いが分かれる香水であることは言うまでもありません。

ですが一度体験すればその色気ある香りに魅了されるはず。

人とは少し違う香り、色気のある香りを探している方はぜひ一度体験してみてください。