冬物ファッションの定番生地「ツイード」とは?ハリスツイードの違いまで解説

皆さんは、「ツイード」と呼ばれる生地をご存知でしょうか?

ツイードとは、紡毛糸を綾織りもしくは平織りで織った毛織物の一種です。

暖かみのある独特の風合いや様々な柄の生地、丈夫で長持ちなどの特徴で広く知られています。冬物のコートやジャケット、トラウザーパンツ、帽子などを始めとしたファッションアイテムに使用される素材としてご存知の方も多いはず。

さらに、保温・防寒性にも優れていていることから、冬物ファッションにピッタリな生地と言えるでしょう。

本記事では、そんなツイード生地について、概要からツイード生地の特徴、ツイードとハリスツイードの違い、ツイードを使ったアイテムに至るまで詳しくご紹介します。

1 そもそもツイード生地とは?

そもそもツイード生地とは?

ツイード生地とは、イギリスのスコットランド発祥の毛織物の一種。短い毛足の羊毛を紡いで作った紡績糸を綾織りもしくは平織りで織った織物のことです。

その名称の由来は、もとはスコットランドのツイード川流域で作られていたことに由来する説と、ロンドンの商社がツイル(twill)をツイード(tweed)と誤読したことに由来する説があります。

ツイードは、生地の製造段階で縮絨起毛(特殊な方法で布地を収縮させる加工)を行わないので、粗くて厚みのある独特の風合いを持った生地に仕上がります。

保温性、防寒性に優れ、その暖かみのある風合いから、主に冬物のジャケットやトラウザーパンツなどのアイテムに使用されることが多い生地です。

2 ツイード生地の特徴

2-1 高い保温・防寒性

高い保温・防寒性

ツイード生地が持つ最大の特徴は、高い保温性、防寒性。

生地の素材には、保温性の高い獣毛、ウール(羊毛)から紡ぎ出された「紡毛糸」が使われています。

紡毛糸とは、短い毛足の羊毛を紡いで作った糸のこと。柔らかく糸の表面にムラがあり、毛羽立っているなどの特徴を持った素材です。

そんな紡毛糸を生地の素材として使用したツイードは、暖かみのある風合いはもちろんのこと、繊維の間に空気を含むことで厳寒期にも耐えうる優れた保温性を発揮します。

紡毛糸の素材、ウールについては下記の記事を参考にしてみて下さい。

2-2 独特の風合いの生地感

独特の風合いの生地感

ツイード生地は毛織物の中でも、硬めでざらざらとした手触りのしっかりとした生地として知られています。

その生地の適度な硬さやざらざらとした手触りが、その他の織物とは異なったツイード独特の風合いを生み出しているのです。

また、生地に伸縮性がないこともツイードが持つ特徴の一つ。

伸縮性がないことから、ツイード生地のアイテムを購入する際には、少しゆとりのあるフィット感のサイズを選ぶのがポイント。はじめは硬く、ざらざらとした手触りの生地も、着用していくうちに柔らかくなり、徐々に身体に馴染んでくれます。

大切に着用することで、着用者ごとに違った表情を見せてくれることもツイード生地が持つ魅力と言えるでしょう。

2-3 丈夫で長持ち

ツイード生地は、独特の風合いに加えて生地が厚めなのも特徴。

一般的なウール製品や毛織物にはデリケートな生地が多い印象ですよね。

一方のツイード生地は、生地が厚めで高い耐久性を持っているのが特徴です。昔はその耐久性から、狩りやフィッシングの時などにも着用されていたほど。

ツイード発祥の地イギリスでは、ツイードが使用されたスーツは、一生物として使われるケースもあるようです。

ツイードは、親から子へ、子から孫へと受け継ぐことができる丈夫で長持ちな生地と言えるでしょう。

2-4 様々な柄が楽しめる

様々な柄が楽しめる

ツイード生地になる前の紡毛糸は、糸の段階で染色されます。そのため、生地に加工した後に染色作業を行っている生地と比較すると発色性に優れています。

生地に加工する前に染色を行うことで、生地を織る際に細かい柄を入れることも可能です。

またツイードは、起毛処理をしていない生地なので、柄物とは相性が良く、織目が綺麗に見えます。

ちなみにツイード生地に使われる柄は、ヘリンボーン柄や千鳥柄、チェック柄などが代表的です。ツイードのアイテムを検討の際は、柄物も視野に入れてみてみてはいかがでしょうか。

3 よく聞くハリスツイードって何が違うの?

よく聞くハリスツイードって何が違うの?

ツイード生地の中でも特に有名なのがハリスツイード。しかしながら、一般的なツイード生地との違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。

そもそもハリスツイードとは、100%ヴァージンウールのみを使用した特別なツイード生地のこと。ハリスツイード協会の設定した基準をクリアした選りすぐりのツイードのみが、「ハリスツイード」を標榜できます。

一般的なツイードと比べ耐久性に優れ、わずかな撥水性を有している点も特徴的です。

元々は、ツイードを模倣品から守るために1909年に商標登録されたのがハリスツイードの始まり。

当初は、ストーノウェイ会議で定められた紡績機械で織られ、ハリスツイード協会によって認められたものにのみ商標が与えられていました。1993年からは、英国議会によってハリスツイード条例が制定され、国際的に保護されています。

ハリスツイードとして認められるには、使用するウール、ウールのカラー混合率、紡績・整経方法、使用する織り機に至るまで、ハリスツイード協会の設定した厳しい基準をクリアしなくてはなりません。

そんな非常に厳格な基準を通過したハリスツイードは、数あるツイードの中でも最高品質を誇るまさに”本物のツイード”と言えるでしょう。

4 ツイードはどんなアイテムに使われている?

ツイード生地は、主に冬物のファッションアイテムを始め、様々な製品に使用されていることで知られています。

冬物のコートやベスト、トラディショナルなジャケットはもちろんのこと、ダウンジャケットやシャツやワンピース、マフラー、手袋といったアイテムにも使用されています。

ツイードは、カジュアル・フォーマルを問わない汎用性が高い素材と言えるでしょう。

その他にもバッグや帽子など、日常的なファッションに気軽に取り入れることができる小物の素材に使用されることも。気になった方はセレクトショップなどで実際に手にして、その質感を体感してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、ツイード生地についてご紹介しました。

ツイード生地は、紡毛糸を綾織りもしくは平織りで織った毛織物の一種。

生地に使われる様々な柄や硬くてざらざらとした独特の風合いが特徴です。空気をふんだんに含んだ厚めの生地で、高い保温・防寒性を持っています。

毛織物にもかかわらず、丈夫で長持ちなのもポイント。

一方、ツイードは伸縮性がない生地なので、サイズ選びの際はゆとりを持ったサイズを選びましょう。

ツイード生地のアイテムを検討の際は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。

育てて楽しめるツイードのアイテムは、きっと一生物になるのではないでしょうか。