サーマルってどんな生地?特徴・種類・お手入れ時の注意点を徹底解説!

カットソーの中でも最近特に注目されているのが、サーマル(thermal)

春夏は1枚でサラッと着ても素敵な上に、ちょっと肌寒い秋冬はジャケットなどと合わせてレイヤードスタイルで楽しむのも良いですよね。

そんな使い勝手抜群のサーマルですが、一般的なメリヤス編みのカットソーと具体的に何が違うのかご存知ない方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、あのサーマル独特の凸凹とした生地感の理由や特徴、さらにお手入れ時の注意点に至るまで詳しくご紹介したいと思います。

1 そもそも「サーマル」とは?

サーマル生地

1-1 凹凸のある生地を使ったカットソー

サーマルとは、凹凸のあるワッフルやハニカムと呼ばれる生地を使って作られたカットソーのこと。

ではなぜ「サーマル」という名称になったのか気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。

ご存知かもしれませんが「サーマル(Thermal)」という単語自体は、英語で「温度の」「熱の」「暖かい」といった意味を持つ形容詞の1つです。

独特の凹凸部分が空気の層を作ることで「暖かさ」をキープする役割を果たしていることから、サーマルという名前がつけられたと言われています。

1-2 元はミリタリーウェアだったサーマル

サーマルのルーツは、意外にもミリタリーウェア。とりわけアメリカ軍の兵士たちが極寒地に訪れる際のアンダーシャツとして親しまれてきました。

そのため古着のセレクトショップでは、旧アメリカ軍が着用していたヴィンテージのサーマルカットソーが数多く取り扱われていることも。

もちろん軍仕様のサーマルは一般的な製品よりも肉厚ですが、基本的な素材や構造は同じものです。

ちなみに最近は素材やディテールにこだわったより上質なサーマルを展開するドメスティックブランドも増えてきています。

2 サーマルに使われる生地は2種類ある

サーマルに使われる生地には、大きく分けてワッフルとハニカムの2種類があります。

2-1 ワッフル生地

ワッフル生地とは、その名の通りスイーツの「ワッフル」にも似た立体感のある網目模様が特徴的な生地のこと。

一般的な方が「サーマルカットソー」と聞いた時に思い浮かべるのは、おそらくこちらのワッフル生地の方が多いのではないでしょうか?

ファストファッションブランドを始め、国内の大手衣料品メーカーが手がけるサーマルのほとんどは、このワッフル生地を採用しています。

ポリエステルとコットンの混紡のものが多く、薄手で伸縮性に優れている点も特徴です。

2-2 ハニカム生地

ハニカム生地とは、「蜂の巣(Honeycomb)」を彷彿とさせる立体的な六角形模様の生地のことです。別名「ハニカムメッシュ」と呼ばれることもあります。

伸縮性や保温性に優れており、ワッフル生地と比べても見た目の差以外はほとんどありません。

ただし、どちらかというとハニカム生地の方が若干厚手に作られる傾向があるようです。ユーズドショップで取り扱われているヴィンテージサーマルの中には、厚手のハニカム生地が多く見られます。

とは言ってもワッフル生地が主流の昨今、新品のハニカムサーマル生地を見かける機会は少ないかもしれません。

3 サーマルの特徴

サーマルの特徴として、以下の4つが挙げられます。

3-1 保温性が高い

サーマルの一番の特徴といえば、その保温性の高さです。

先ほども少し触れましたが、生地表面につけられた独特の凹凸部分が空気の層を作り出すことで暖かさをキープする役割を果たしています。

特に重要なのは凸よりも「凹」の部分。この窪みが私たちの体から発せられた熱をキャッチして、外に逃さないようにしているのです。

もちろん生地自体の厚みによって多少変わるものの、薄手でも意外と暖かく、「ニットは暑いけどただのカットソーだと肌寒い」位の季節にも大活躍してくれます。

秋口は一枚でサラリときてもよし、寒さの厳しい真冬はアウターの下にレイヤーしてもよし。使い勝手の良さもまた、サーマルのもつ大きな魅力の1つです。

3-2 伸縮性が高く快適な着心地

サーマルの中でも、とりわけ近年主流のワッフル生地は伸縮性が高くストレスフリーな着用感が魅力です。

ワッフル構造のおかげで縦横に程よく伸縮してくれます。

その伸縮性の高さゆえに生地の伸びが欠点とも言われていますが、最近はポリエステル混紡の製品が増えているためそこまで気にならなくなってきているようです。

ニットウェアのような着心地とカットソーならではのドライな質感を併せ持つサラブレッド的存在と言えるでしょう。

3-3 凹凸のおかげでサラリとした着用感に

サーマル独特の「凹凸」の役割は保温性を高めることだけではありません。実は、サラりとした快適な着用感をキープするのにも一役買ってくれています。

私たちの肌に直接触れるのはあくまでサーマルにおける「凸」の部分。つまりそれ以外の「凹」の部分はほとんど肌に直接触れていません。

肌に触れる面積が小さいということは、汗をかいてもくっつきにくくドライな着心地をキープできるのです。

何の変哲も無いカットソーの1つにも見えるサーマルですが、このように意外と色々考えて作られていることがお分りいただけたかと思います。

3-4 着込むごとに増していく絶妙な風合い

着込めば着込むほどに深まっていく豊かな風合いもまた、サーマルのもつ大きな魅力の1つ。

中でも生地に厚みのあるヘビーオンスのサーマルシャツは、何度も着用と洗濯を繰り返していくうちに生地が柔らかくなり、こなれ感のある自然な雰囲気に。

もったいぶらずガシガシ着込めば、まるでデニムのようにエイジングを楽しむこともできます。

もちろん洗濯を繰り返すうちにコットン地ゆえのヨレや縮みこそ現れるものの、そんな脆さもまたサーマルの醍醐味の1つと言えるかもしれません。

4 サーマルをお手入れする際の注意点

サーマルカットソーをお手入れする際には、以下の3点に気をつけると良いでしょう。

4-1 洗濯はネットに入れてから

サーマルカットソーを家庭用洗濯機で洗濯する場合には、一度たたんでからネットに入れておくことをオススメいたします。他の洗濯物との摩擦を避けることができ、生地にも優しいからです。

ただし基本的には、まず洗濯表示タグをチェックしてそこに記載されている内容に従うようにしましょう。

特に最近のドメスティックブランドの展開しているサーマルの中には、上質なウールを混紡している製品も存在します。その場合は基本的に手洗い、もしくはクリーニングが必要になる場合も。

ケースバイケースですので、アイテムごとにしっかりとタグをチェックしておいた方が無難です。

4-2 できれば「平干し」で乾かすのが理想

サーマルカットソーを洗濯した後は、できるだけ「平干し」で乾かすようにしましょう。

前述した通り、サーマルカットソーは伸縮性が高いという点が特徴の1つです。しかしながらこれは同時に「生地が伸びやすい」というデメリットの裏返しでもあります。

特にコットン100%のサーマルを吊り下げるタイプの洗濯物干しで乾かすと、縦に伸びてしまうことも。

ニットを干す時にも使える「平干しネット」で乾かした方が無難です。

4-3 ハンガー掛けせずにたたむのが○

干す時だけでなく、収納時もできるだけハンガー掛けはしない方が無難。

これも前述した理由と同じく、伸縮性の高さゆえに自分自身の生地の重みで生地が下に向かって伸びてしまう可能性があるからです。

サーマルシャツはラフに着用できるという点が大きな魅力ですが、粗雑に扱っていると生地が伸びきってしまい、見栄えが悪くなってしまうことも。

また、着用していない時には他のカットソーと同じようにたたんでしまっておくことをおすすめいたします。

5 ヴィンテージサーマルシャツという選択肢も○

カットソーやシャツといったアイテムは新品が好まれがちですが、近年はあえてヴィンテージのサーマルシャツを選ぶ方も増えていきています。

ブランドによって年代ごとにタグ、生地感、ディテールが微妙に異なるためユーズドアイテムのマニアにはたまりません。

中でも米軍むけに納品されていたいわゆる「軍モノ」と言われるミリタリーサーマルは、ミリタリーならではの分厚い質感と絶妙な風合いからファッションフリークたちの間でも高い人気を誇っています。

ちなみに、すでに生産を終了した未使用品のヴィンテージサーマルシャツには高値がつくことも。

新品を買わずにあえて古着屋に並んでいるユーズドの製品を購入するという選択肢も、サーマルシャツならでは。

まとめ

今回は、人気急上昇中のサーマルカットソーについて、その特徴やお手入れ方法を中心にご紹介しました。

あの独特の凸凹感が、快適な着用感の秘密だったわけです。保温性を高めつつ、肌に触れる生地の面積を少なくすることでサラりとした着心地を楽しむことができます。

メーカーによって生地の厚みなどにも違いがあるため、肉厚な生地感のサーマルは秋冬に。逆に薄手で軽いサーマルは春夏に着用すると良いでしょう。

新品も良いですが、あえて古着屋さんで取り扱われているヴィンテージのサーマルカットソーを試してみても良いかもしれませんね。