「スエード」とはどんな素材?他の革との違いやお手入れ方法の基本を解説

秋冬の定番素材として知られるスエード素材。

独特の光沢感とシックで上品な雰囲気は、秋冬コーディネート全体をクラスアップしてくれるマストアイテムの1つです。

しかしながら、定番素材であるがゆえに知られていないことも意外とたくさんあります。

そこで今回は、そもそもスエードとはどんな素材なのか?その特徴を中心に、他の起毛比較との違いや知っておくと便利なスエードのお手入れ方法に至るまで詳しくご紹介します。

身近な素材に関する基礎知識をおさらいしていきましょう。

1 スエードとは?

スエード素材

スエードとは、起毛皮革の一種で子羊や子牛など小動物の皮革の裏面をサンドペーパー(ヤスリ)を使って毛羽立てたもののこと。

表面のツルツルとした一般的なスムースレザーとは異なる、上品な光沢感とあたたかみのある雰囲気が大きな特徴の1つ。

毛足が短く柔らかいものほど上質であるとされ、中でも最も高級なスエードは「シルキー」と呼ばれることもあります。

ちなみに日本国内では「スエード = 秋冬の素材」として認識されていますが、海外ではブーツを始めとした様々なアイテムに用いられ、季節問わず着用されているようです。

2 スエードのルーツ

スエードの語源は、女性用の手袋「ガーント・ドゥ・スエードgants de suède)」由来するという説*が有力です。

そもそもスエードとは、フランス語で「スウェーデン(suède)」の意。

というのも、元々皮革を毛羽立たせる加工技術はスウェーデンで考案されたものでした。

この技術を用いて製造された女性用の手袋「ガーント・ドゥ・スエード」がフランスへと輸出され、いつのまにか「起毛皮革 = スエード」という呼ばれるようになったようです。

*スエードの語源については諸説あります。

3 スエードと他の起毛皮革の違い

スエードとよく混同されがちなものとして、ヌバック、ベロア、バックスキンといった素材が挙げられます。

見た目はスエードとよく似ているのですが、実はそれぞれ加工している部位や質感が微妙に異なるのです。混同しないためにも、それぞれの素材の特徴を確認しておきましょう。

3-1 スエード

スエードは豚皮の裏面(床面)を起毛させた、独特の光沢感が特徴の皮革です。

上品な見た目でありながら意外と丈夫で、しかも一般的な革製品に必要なクリームによる保湿が必要ないという点も大きなメリット。靴や手袋を始めとした消耗の激しいアイテムにもよく使用されます。

3-2 ヌバック

スエードが豚皮の裏面を毛羽立たせた皮革であるのに対し、ヌバックは牛革の表面(銀面)をサンドペーパーで毛羽立たせたものです。

非常に目の細かいサンドペーパーを用いることで、スエードよりも毛足の短い滑らかな風合いに仕上がります。

3-3 ベロア

ベロアはスエードと同じく裏面を起毛させていたレザーの1つですが、スエードよりもその毛足が長いものを指します。

毛足が長いことでふっくらとした風合いになることに加え、日光などの光線の当たり方によって様々な色合いに見えるのも特徴の1つです。

高級感があるため、ドレスやワンピースなどの素材として用いられることもよくあります。

3-4 バックスキン

バックスキンとは、鹿皮の表面をサンドペーパーで擦って起毛させた素材のこと。

現在では鹿ではなくヤギ・羊の皮を用いることが一般的です。

見た目がとても美しい上に手触りがよく、しなやかで丈夫なのでコートやズボン・帽子、靴、袋物など様々なアイテムに使われています。

4 スエードのお手入れ方法は?

スエードのお手入れ

スエードは比較的丈夫な革である上に、通常のスムースレザーのようなクリームを使った保湿を行う必要もありません。そのため、メンテナンスに関しては比較的楽な素材であるとも言われています。

だからといって、お手入れせずに使い潰していると独特の起毛感が失われ、せっかくの上品な雰囲気を損ねてしまうことも。

スエードの上品な質感をキープするために必要なお手入れ方法について確認していきましょう。

4-1 日常的なお手入れはブラッシングで

上品な起毛感を保つためにも、日常的なブラッシングは必須。

ブラッシングせずに使い続けていると、起毛部分が横に倒れて外観を損ねてしまいます。

まずはお手入れ用の豚毛ブラシもしくは馬毛ブラシを使い、最初の数回は毛足を逆立てるようにしてホコリやチリなどのゴミを払い落しましょう。

あとは毛足の流れに沿って、丁寧にブラッシングしていきます。強く擦るのではなく、優しく撫でるようにブラシをかけていくのがポイントです。

4-2 スエード用栄養スプレーを使えばなお良し

先ほど、スエードはスムースレザーのようにクリームを使って保湿を行う必要がないと説明しました。

確かにその通りなのですが、皮革である以上は潤いはしっかりとキープしたいところ。そこでオススメしたいのが、スエード専用の栄養スプレーです。

このスプレーをスエードアイテム全体に満遍なく噴きかけることで、必要な栄養と潤いを与え、発色を鮮やかにする効果も期待できます。

シューズ専門店や百貨店などで1,500円〜2,000円前後で取り扱われていることが多いので、ブラシと合わせて最初に用意しておくと良いでしょう。

4-3 防水スプレーで万全の水濡れ対策を

水濡れを防止するなら、防水スプレーを使うのが一番。

これはスエードに限らずレザー製品全般に言えることですが、基本的にレザーは水濡れに弱い素材。だからといって雨天の日に使用できないというのも、なんだか寂しいですよね。

なのであらかじめアイテム全体に専用の防水スプレーでしっかりとコーティングしておきましょう。スプレーに関しては「スエードに使用可能」と記載されている製品であれば、基本的にどれを使ってもOK。

特に靴などのアイテムはムラができないよう全体に満遍なくふきかけておくことが大切です。

にスプレーが乾いた後は、ブラッシングすることで毛足をより美しく魅せることができます。

まとめ

今回は、身近なスエード素材の特徴、他の起毛比較との違いや日常的なお手入れ方法を中心にご紹介しました。

表面をサンドペーパーで起毛させることによって生じる独特の光沢感は、秋冬のコーディネートをグッとクラスアップしてくれること間違いなし。

上品な雰囲気でありながらもしなやかで丈夫なので、頼り甲斐があります。

ただしスエード特有の美しい起毛と光沢感を損ねないためにも、ブラッシングや栄養スプレーを始めとした日々のメンテナンスにはしっかりと気を使いましょう。