セルビッチデニムとは?そのディテールや一般的なデニムとの違いについて

ジーニストたちの間ではもはや当たり前のような存在として知られているセルビッチデニム。

最近はユニクロを始めとした大手ファストファッションブランドも、低価格帯のセルビッチデニムを販売したことで話題を集めました。

しかしながら、「セルビッチデニム」という言葉ばかりが先行して、肝心の「セルビッチデニムとはそもそも何のことなのか」について知らない方も多いのではないでしょうか?

今回は、そんなセルビッチデニムについてその概要や一般的なデニムとの違いに至るまで詳しくご紹介いたします。

1 セルビッチデニムとは?

セルビッチデニム

そもそも何を持って「セルビッチデニム」と呼ばれるのでしょうか?その所以を確かめていきましょう。

1-1 ほつれ止めを施したデニムのこと

セルビッチデニムとは、簡単に言ってしまうとデニム生地の両端に「ほつれ止め」を施したデニムパンツのこと。

このほつれ止めの部分を「セルビッチ(selvedge)」と呼ぶことから、いつしかほつれ止め付きのデニムパンツは「セルビッチデニム」と呼ばれるようになったのです。

ちなみに新式の織り機が登場する前までのデニムパンツは、シャトル織り機と呼ばれる旧式の機械を使って製造されていました。

このシャトル織り機を使ったデニムに限り、セルビッチデニムの所以たる「ほつれ止め」が施されるのです。言い換えれば、セルビッチが付いているデニムは全て、旧式の織り機を使って製造されていること意味しています。

1-2 Levi’sがきっかけとなって赤耳と呼ばれるように

セルビッチは、ジーニストたちの間ではしばしば「赤耳(アカミミ)」と呼ばれます。

以前まで、セルビッチは白色の糸を使って縫われるのが一般的でした。この糸色を超老舗デニムメーカーとして知られるLevi’s社が、赤色に変更したことからいつしか「赤耳」と呼ばれるようになったのです。

現在は「セルビッチ」という言葉よりも、むしろ「赤耳」とか「耳」といった表現の方がメジャーかもしれません。

ただし表現は違えど、「セルビッチ」も「耳」も「赤耳」も全て意味しているものは同じです。

2 セルビッチデニムと一般的なデニムの違い

セルビッチデニムは一般的なデニムよりも高値で販売される傾向にあります。

それはセルビッチデニムが他のデニムと比べて”特別な”デニムだからです。

2-1 旧式織機を使うため生産に時間と手間がかかる

冒頭でも触れた通り、セルビッチデニムは旧式のシャトル織り機を使って製造されます。ちなみにシャトル織り機とは、その名の通り「シャトル(杼)」と呼ばれる器具を使って糸を左右交互に打ち込んでいく機械のことです。

このシャトル織り機は、新式の織り機(シャトルレス式)と比べると生産効率がかなり悪く、デニムをたった1本を作るにもかなりの時間と手間を要します。

その上、このシャトル織り機を使うには高度な技術が必要とされるため、扱える職人さんも非常に少ないというのが現状です。

こうした理由から、セルビッチデニムは一般的なデニムよりも高値で取引されています。

2-2 生地の長さが倍以上必要になる

新式の織り機を使った場合、生地巾(幅)150cmまで織ることができます。その一方で、シャトル織り機を使った場合、織れる生地巾は新式の約半分に当たる80cm。

生地巾が半分になる分、生地の長さを2倍以上用意しなくてはなりません。

具体的な数字で示すと、新式であれば同じ生地の長さで5本のデニム生地を織ることができるのに対し、旧式の場合はたったの1本。生産効率が悪いだけでなく、使用するデニム生地の量も多くなるため、原価も高くなります。

使用している生地の量が多いわけですから、相対的に高値で取引されるのも納得ですね。

2-3 全体的に目が粗く独特の素材感を楽しめる

ここまでの説明だと、セルビッチデニムは”ただ生産効率が悪く高値なだけ”のように感じるかもしれませんね。しかし、ここまで経済的な合理性を犠牲にしているわけですから、何もメリットがないはずもありません!

実は、セルビッチデニムは他のデニムと比べて全体的に生地の目が粗く独特の存在感を放つのが特徴です。その上、生地感も一般的なデニムと比べて空気を含むようなふっくらとした仕上がりに。

これは昔ながらのシャトル織り機で、低速かつ空気を含ませながら時間をかけて織ったからこそ実現できた風合いなのです。

履きこんでいくごとに通常のデニムとは異なる独特の風合いや色落ちを楽しむこともできます。

2-4 裾をロールアップすれば赤耳が程良いアクセントに

セルビッチデニムの醍醐味と言えば、デニムをロールアップした時にチラリと覗かせる赤耳です。

ディテール自体が、コーディネート全体における程よいアクセントになってくれます。今まで裾をロールアップせずに履いていた方も、セルビッチデニムを手に入れた後はきっと裾をロールアップしたくなるはず。

もちろん、ガシガシ履きこんでいくごとにセルビッチ自体も色落ちします。

格好良く色落ちしたセルビッチもまた、ロールアップした時に絶妙なヴィンテージ感と男臭さを醸し出してくれるはずです。

3 最近はセルビッチのカラーバリエーションも増えてきている

これまでセルビッチといえば、白もしくは赤が一般的でした。

しかし最近は、セルビッチ自体のカラーバリエーションも増えてきています。メーカーによっては例えば、黄色、青色、ピンク色などの糸を使ったセルビッチデニムも展開しているようです。

他にも、生産国の国旗と同じ色の糸を使ったユニークなセルビッチデニムもある模様…。

旧式デニムパンツの伝統を踏襲しつつも、各ブランドならではの遊び心がセルビッチに反映されています。

セルビッチデニムを選ぶ際には、ぜひセルビッチ自体の色にも注目してみてくださいね。

まとめ

今回は、男心くすぐる「セルビッチデニム」の魅力についてご紹介しました。

セルビッチは、一見すると些細なディテールかもしれません。しかしデニム好きにとっては、セルビッチの有無が、商品の購入を左右する大きなポイントになることもあります。

本記事をご覧になられた皆さんは、ぜひ今後デニム選びの観点の1つとして「セルビッチ」にも注目してみてください。

セルビッチデニムを製造販売しているメーカーは意外と沢山あります。周りと差別化できる、ちょっと特別なデニム探しの旅に出かけてみてはいかがでしょうか?