英国王室御用達(ロイヤルワラント)とは?至高の品に与えられる称号のお話。

皆さんは「英国王室御用達」という言葉をご存知でしょうか?

「Royal Warrant(ロイヤルワラント)」とも呼ばれ、極めて品質の高いブランドやアイテムに対して王室から与えられる特別な「称号」です。

コートでお馴染みの「Burberry(バーバリー)」や高級ニットウェアブランドの「John Smedley(ジョンスメドレー)」も、ロイヤルワラントを与えられたブランドとして知られています。

今回は、誉高き「英国王室御用達」について、紋章の種類、ワラントを受けるまでの流れ、代表的なブランドに至るまで知られざる世界を覗いてみましょう。

1 英国王室御用達(ロイヤルワラント)とは?

「英国王室御用達(ロイヤルワラント)」とは王室に優れた商品を納入するメーカーやブランドに対してイギリス王室から与えられる「称号」のこと。

12世紀頃、イギリスの御用商人に与えられた「勅許証」がこの制度の始まりであると言われています。

いわば王室の「お墨付き」のようなものと考えると良いでしょう。

英国王室御用達の認可を受けるためには、厳正な審査を通過する必要があります。イギリスにおいて、この認可を得ること自体とても誉高きことなのです。

ちなみに認可を得たブランドは、店頭や商品のパッケージに「紋章(ロイヤルアームス)」掲げることができるようになります。

2 発行者によって異なる3つの紋章

英国王室御用達の紋章
* 画像はSMYTHSONのパッケージ。左から順にエリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子の紋章が並ぶ。

英国王室御用達の認可を与えることができるのは、直系の王位継承者のみ。

2019年12月現在で、エリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子の3人がロイヤルワラントが王位継承者です。

そしてこの3人のうちの誰が認可を与えたかによって、ロイヤルワラントの「紋章」も変わります。

エリザベス女王の場合、イギリスの国章であるライオンとユニコーンのモチーフが描かれた紋章を。フィリップ殿下の場合は、デンマークとギリシャの国旗が描かれた紋章を。

チャールズ皇太子の場合は、3本の鷲の羽が描かれた紋章が与えられます。

基本的に与えられる紋章は1つの場合が多いですが、3人全員の審査を通過した場合には、3つの紋章が与えられることもあります。

3 英国王室御用達の認可を受けるには?

実は、王室から突然「あなたの会社にロイヤルワラントを授けます」というお達しが来るわけではありません。

そもそも英国王室御用達の認可を受けるには、王室に対して商品やサービスを納めていることが大前提。さらに別途「The Royal Warrant Holders Association」という機関に対して、申請を行う必要があります。

審査は非常に厳しく、そう簡単に通過できるものではありません。

たとえ審査に通過し晴れてロイヤルアームスを掲げることができたとしても、実はロイヤルワラントは5年毎の更新制

もしその5年の間に品質が低下した場合、なんと称号を剥奪されてしまうこともあります。

誉高き王室からのお墨付きを汚すことのないよう、これまで以上に品質の向上に努めなければならないのです。

4 英国王室御用達を与えられたブランドたち

英国王室御用達のアイテム

5-1 John Smedley(ジョンスメドレー)

John Smedley(ジョンスメドレー)は、1784年から続くイギリス屈指の高級ニットウェアブランド。

エリザベス女王からのロイヤルワラントを獲得しています。

コットンの中でも最高級に位置付けられるシーアイランドコットン、希少なメリノウールを始め、選び抜かれた最高品質の素材のみを使用。

中でもジョンスメの代名詞的存在である24~30ゲージの繊細な網目のニットポロシャツは、優しい肌さわりと独特のトロみを持った極上の着心地が魅力です。

5-2 HUNTER(ハンター)

HUNTER(ハンター)は、1956年にスコットランドで誕生したラバーブーツメーカーです。

中でも特に人気を集めているのが、ハンターのレインブーツ。

つなぎ目をなくすことで実現した防水性、人工力学に基づいた疲れにくい設計をはじめとした高い機能性に加え、ファッション性も兼ね備えた逸品。

エリザベス女王とフィリップ殿下からのロイヤルワラントを獲得しています。

5-3 Smythson(スマイソン)

Smythson(スマイソン)は、1887年、ロンドンで誕生したステーショナリーブランド。

創業当初はステーショナリーグッズ(文具)をメインに展開していたためスケジュール帳や手帳などが有名ですが、カードケース、お財布、バッグなども取り扱っています。

ステーショナリーブランドならではの機能性に加え、最高級レザーを用いて製造されたクラフトマンシップ光るプロダクトは世界中のセレブ達を虜にするほど。

その品質の高さから、エリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子3つ全てのロイヤルワラントを獲得しています。

5-4 Johnstons(ジョンストンズ)

Johnstons(ジョンストンズ)は、1797年にスコットランドで誕生した老舗のテキスタイルーメーカー。

名だたるメゾンにカシミアを始めとした高級繊維を提供する傍ら、自社でも上質なマフラーやスカーフ、ホームファーニシングを展開しています。

中でもスコットランド産の最高級カシミアを用いてストールは、王室はもちろん世界中から高い評価を獲得するほど。

チャールズ皇太子からのロイヤルワラントを獲得しています。

5-5 Barbour(バブアー)

Barbour(バブアー)は、1894年にイングランドのサウスシールズで誕生したアウトドアブランド。

海で働く漁師や水夫に向けて開発された防水・防風生地「ワックスドクロス」を用いたオイルドジャケットがバブアーの代名詞的存在。

耐久性にも優れ、使えば使うほど味わい深い色合いへと変化していきます。

先ほどご紹介したスマイソンと同様、エリザベス女王、フィリップ殿下、チャールズ皇太子3つ全てのロイヤルワラントを獲得する数少ないブランドです。

5-6 PENHALIGON’S(ペンハリガン)

PENHALIGON’S(ペンハリガン)は、1870年に誕生したフレグランスブランド。

創業者のウィリアム・ペンハリガン氏は、宮廷専属の理容師兼調香師としてかのヴィクトリア女王に仕えたキャリアを持つほど。

上質な香料を用いて作られた、クラシカルさの中にも斬新さの垣間見えるフレグランスは、老若男女問わず幅広い層から親しまれています。

フィリップ殿下とチャールズ皇太子からのロイヤルワラントを獲得しています。

5-7 FLORIS(フローリス)

FLORIS(フローリス)は、1730年にロンドンで生まれたイギリス屈指の高級フレグランスブランド。

創業者は、理容店を営んでいたジュアン・ファメニアス・フローリス。地中海で出会ったアロマの香りが忘れられず、店の地下で香水の調合を始めたことがブランドのルーツと言われています。

伝統的な製法とこだわりの香料を用いて作られる気品のあるフレグランスは、長年愛用するファンも多いのだとか。

エリザベス女王とチャールズ皇太子からのロイヤルワラントを獲得しています。

5-8 MOLTON BROWN(モルトンブラウン)

MOLTON BROWN(モルトンブラウン)は、1971年にイギリスで誕生したラグジュアリーライフスタイルブランド。

現在は日本の大手化学メーカーとして知られる「花王」の傘下です。

中でも熟練の調香師が作り上げる、複雑で奥深い香りのバスケアプロダクトが魅力。なんと世界70ヶ国以上のラグジュアリーホテルのアメニティにモルトンブラウンが採用されるほど。

エリザベス女王からのロイヤルワラントを獲得しています。

5-9 D.R.HARRIS(ディーアールハリス)

D.R.HARRIS(ディーアールハリス)は、1790年にロンドンで誕生したアポセカリー(自然薬局)。

創業者は、外科医のヘンリー・ハリスと薬剤師のダニエル・ロートリー兄弟。スキンケア、グルーミング、フレグランスに至るまで厳選された植物原料を用いたプロダクトを展開。

英国の紳士淑女たちに愛される気品ある香りも魅力です。

エリザベス女王とチャールズ皇太子からのロイヤルワラントを獲得しています。

まとめ

限られたブランドと商品にのみ与えられる「英国王室御用達(ロイヤルワラント)」。

非常に厳しい審査を通過しなければならない上に、5年ごとの更新も必要になります。

与えられたワラントの上にあぐらをかくことはできません。王室から与えられたロイヤルワラントの名に恥じぬよう、品質の維持と向上に努めることになるでしょう。

だからこそ英国王室御用達ブランドは、誉高きものなのです。

日本国内にも、英国王室御用達のブランドや商品は数多く存在します。もし今後、百貨店やセレクトショップなどでロイヤルワラントの紋章を見かけた際には、ぜひ一度手にとってみてくださいね。