フリース素材の定番「ポーラテック」とは?種類・特徴を完全解説

高機能アウトドアウェア製品を数多く世に送り出したポーラテック。

アウトドアに触れた事のある人ならばおそらく知らない人はいないはず。

中でもポーラテックの代名詞であるポリエステル製のフリースは、年齢性別問わず幅広い層から根強い人気を誇っています。

本記事ではそんなポーラテックの人気を支える特徴・機能性、さらには意外と知られていない多種多様なラインナップに至るまで詳しくご紹介します。

1 ポーラテックとは?

ポーラテックフリースの素材

ポーラテックとは、アメリカに本社を構えるポーラテック社の開発した保温性、軽量性、通気性に優れたポリエステルフリースのこと。実は世界で初めて「フリース生地」を世に送り出したのもポーラテック社。

そんなポーラテックの起源は今から100年以上前の1906年。

当時はまだ郊外に工場を構える小さな紡績会社で、社名もポーラテックではなく名称は「モールデン・ミルズ」。第二次世界大戦後にポリエステル繊維の取り扱いを開始し高い業績を上げるも、時間の経過とともに業績は悪化、息を潜めてしまいます。

そんな窮地を救ったのが、世界的なアウトドアブランド「Patagonia」の創業社長として有名なイヴォン・シュイナード氏。彼とポーラテック社との共同開発により生まれたのが、ポーラテックの代名詞「ポリエステル・フリース」だったのです。

パタゴニア社の定番商品に搭載されて以降、ポーラテックの名は世界に知れ渡りました。

2 ポーラテックが愛され続ける理由

ポーラテックのフリースが100年以上に渡って愛され続けているのは、「暖かいから」という理由だけではありません。

ただ暖かいフリース、ただ防水性の高いだけのアウター。それなら、すでに市場に出回っている他社のフリースと何ら変わらないものになってしまいます。

ポーラテックの素晴らしさは、高い保温性のみならず通気性、伸縮性、軽量性、耐久性、防風性、防水性といった各機能を高いレベルで両立している点にあると言えるでしょう。

開発の際は、エンジニアたちによって実際のアウトドアシーンでフィールドテスト重ねられます。

独自の生地やメンブレン(膜)を用いることで、暖かさはもちろん、動きやすさ、ウェア内の湿度を調整しストレスフリーな着心地を実現。

探検家、スキーヤー、トレイルランナー、様々なアクティビティのプロが納得する高い品質の製品の開発に努めています。

3 ポーラテックの種類

「ポーラテック = フリースの素材を開発している会社」というイメージが強いかもしれません。

しかし実際は、代名詞のポリエステル・フリースだけでなく、防水素材、防水透湿素材から防風素材に至るまでアクティビティをサポートする様々な素材を開発しています。

3-1 ポーラテック パワードライ

パワードライは、皮膚をドライな状態に保ことができるポーラテックの新素材。

この素材の最大の特徴は、高い吸湿発散性能です。

内側と外側の両面に異なる網糸を用いた「二重ニット構造」で、汗や湿気をはじめとした水分を素早く発散。ウェア内のストレス指数を大幅に軽減します。

そしてパワードライにおいてもう1つ特筆すべき点は、その耐久性。ヘビーユースしても、その高い機能性が失われることはほぼありません。

3-2 ポーラテック パワーストレッチ

パワーストレッチとは高いストレッチ性、保温性・耐摩耗性・吸湿性を兼ね備えた素材です。

暖かさはもちろん、汗を素早く逃しドライな着心地をキープ。

さらに4方向への伸びを確保することでストレスフリーな着用感を実現。加えて、着用時は身体の形に合わせ、包み込むようにフィットするのもパワーストレッチの魅力の1つ。

体の動きに追従するよう計算されているため、運動時に感じるウェア独特のストレスも大幅に軽減してくれます。

3-3 ポーラテック クラシック

クラシックは、保温性と通気性に優れた両面起毛の素材です。ちなみにアウトドア好きの間で、クラシックは定番中の定番。

多様な用途に使用可能で、冬の寒い野外で特に重宝されています。

単体で着用すれば程よい保温性と通気性を。ウェアの下にレイヤーした場合には、非常に高い保温性を発揮し快適なアクティビティをサポートします。

ジャケット、パンツ、セーターに至るまでカテゴリー問わず搭載可能なポーラテック屈指の万能素材と言えるでしょう。

3-4 ポーラテック サーマルプロ

サーマルプロは、軽量かつ保温性に優れた断熱ファブリックです。

特筆すべきは、多様なそのテクスチャーパターン。ニットやファーのような質感も用意されているため、あらゆるデザインのアイテムに搭載可能。

ブランド側からすると、自社のデザインやこだわりを反映しやすいというメリットがあります。

ポーラテックの高い機能性はそのまま、デザイン性にもこだわりたいというニーズにも対応するフレキシブルな素材と言えるでしょう。

3-5 ポーラテック ウィンドプロ

ウィンドプロは、メンブレン(膜)を使わずに高い防風性を確保した素材です。

その防風性能は、なんと従来のポーラテックフリースの4倍相当。高密度に編み上げた表面構造が、雨風をブロックし、ストレスを大きく軽減します。

あらゆるシーンに対応可能であることから、数あるポーラテックのラインナップの中でも「スーパーフリース」と呼ばれるほど。

また、保湿性のみならず通気性にも優れているため、汗抜けも良く、一年を通して様々なシーンで活躍してくれます。

3-6 ポーラテック ウィンドブロック

ウィンドブロックは、ベースとなる生地に「防風メンブレン」を貼り込んだ完全防風素材です。

完全防風という名の通り、風を100%遮断。さらに透湿性の高いポリウレタン製のメンブレンを組み合わせることで、不快な湿気はしっかりと放出。ウェア内を快適な状態へと導きます。

耐久性に優れ、毛羽立ちも少ないため防風ウェア独特の擦れる音もほとんどしません。

悪天候下でのアクティビティにも最適です。

3-7 ポーラテック パワーシールド

パワーシールドとは、次世代のテクニカル・ウェアーと呼ばれる最新ソフトシェル素材です。

従来のシェルは、フリースによる断熱層と防水、通気性のシェルの2層構造でした。

一方、パワーシールドでは多孔質メンブレンの1層のみをサンドイッチすることで98%の風をブロック。残る2%の風は内側で循環し、不快な湿気の発散を促進します。

加えて耐摩耗性・伸縮性にも優れているため激しいアクティビティにもしっかりと対応可能。アウトドアシーンの心強い味方になってくれるはずです。

3-8 ポーラテック ネオシェル

ネオシェルは、悪天候にも対応可能な高いパフォーマンスとソフトシェルの快適性を両立した次世代の防水透湿性素材です。

ポーラテック独自の特殊構造によって気温や湿度に関係なく内部の湿気を放出し、圧倒的なムレの少なさを実現。快適なアクティビティを確保できます。

「雨風をしっかりと防ぎたいけれど、内側に湿気を閉じ込めたくない。」

そんなニーズにも対応可能な高機能素材です。

3-9 ポーラテック アルファ

ポーラテックアルファは、「過酷な環境下の長時間行動において常に保温する」というコンセプトの下、米軍特殊部隊と共同開発された素材です。

アルファ素材は、ガーゼのような薄い生地にポリエステル綿を編み込んだもので構成されています。

この構造により、高い通気性と速乾性を備えつつ、ダウンや化織中綿の欠点を克服。通気性によりムレや余分な熱を放出し、ウェア内を快適な状態に保ちます。

素早く乾くため、熱が奪われず濡れた状態においても保温性をキープ可能です。

4 進化を続けるポーラテック

既存のラインナップも十分優れた機能性を有するポーラテック。しかしながら世界的に名を挙げた今もなお、決してその歩みを止めることはありません。

さらなる高みを目指して、次世代の技術開発が着々と進んでいます。

4-1 生分解可能なリサイクル繊維の開発

ポーラテックが目指すのは、全ての工程における高い品質と持続可能性の両立。

それを可能にするために開発されているのが、生分解可能なリサイクル繊維です。

リサイクル素材を使用して紡いだ繊維を使うことで環境にも優しく、最終的には微生物によって自然に分解されて地球へと還っていくというもの。

つまり素材自体が再生繊維であることに加えて、使用後はいずれ土へと戻るというリサイクルにおける完全な正のループを作り出そうとしているのです。

まだまだ開発途中ではあるものの、実現する日はそう遠くはないかもしれません。

4-2 新たに2種の最新素材の開発を発表

ポーラテック社から、パフォーマンスと持続可能性を高いレベルで両立する最新素材が新たに発表されました。

その名も、「ポーラテック パワーフィル」と「ポーラテック パワーエアー」。

100%リサイクルポリエステルから作られた2つの素材は、いずれも断熱性・通気性・耐久性・形状安定性をはじめとした性能を高いレベルで兼ね備える優れもの。

環境面への配慮を行なった上で、さらにパフォーマンスも追求していく姿勢は、創業当初から変わらないポーラテック社の本質です。

今後、様々な製品のベースレイヤーとして搭載されていくことでしょう。

まとめ

フリースジャケットでお馴染みのポーラテックについて詳しくご紹介してきました。

ポーラテックのフリースは独自の技術により温かくて心地の良い製品を誕生させてきました。アウトドアユーザーには無くてはならない存在となり、活躍の幅はどんどんと広がっています。

バリエーションも豊富なので、目的やシーンにマッチした最適な素材を選択可能です。

冬山はもちろん、一年を通して様々なアクティビティを行うにあたって実際に袖を通してみてください。きっと、他のフリースとの圧倒的な違いを実感できるはずです。