スーツスタイルと相性抜群のレザーシューズ。
そんなレザーシューズの中でも定番かつ最もシンプルなデザインが「プレーントゥ」です。
普段からスーツを着用する機会の多い社会人の方にとっては馴染み深いアイテムですよね。
シンプルでクセのないデザインのプレーントゥはビジネススタイルはもちろんのこと、カジュアルなファッションにワンポイントで取り入れてもコーディネート全体を引き締めてくれます。
そんな汎用性の高いプレーントゥですが、種類が多くて革靴初心者の方や検討中の方はどれを選んだら良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。シンプルだからこそディテールまでこだわって選ぶことが大切です。
そこで本記事では、プレーントゥの概要から特徴、種類、選び方に至るまで詳しくご紹介します。
1 プレーントゥとは?
そもそもプレーントゥとは、トゥ(つま先)の部分に装飾やパンチング加工の施されていないレザーシューズのことです。
その歴史は古く、1800年代に当時のプロイセン公領で歩兵用に考案された革靴がルーツとされています。
そして1900年代初期には、アメリカで郵便配達員や海兵士官の制服として導入されるようになりました。
現在のようにビジネススーツと合わせて着用されるようになったのは、1900年代後半からといわれています。
シンプルなデザインで実用性の高いプレーントゥは、古くから様々な分野で着用されてきた革靴なのです。
2 プレーントゥの特徴
2-1 シンプルなデザイン
プレーントゥの最大の特徴は、そのシンプルなデザインです。
トゥ部分にパンチング加工やステッチなどの装飾がされていないのがポイント。
その必要最小限のデザインはスーツとベストマッチ。足元をスマートに彩ってくれます。
一方、日々のお手入れやメンテナンスは必須です。
プレーントゥはシンプルなデザインのため、装飾が施されたレザーシューズと比較すると、履きジワや汚れがついてしまった場合に目立ちやすいことも特徴の一つ。
美しい状態をキープするためにも、普段からシューキーパーや靴の乾燥剤等を使用した保管を心がけましょう。
2-2 高い汎用性
スーツを始めとしたビジネス・フォーマルな服装以外でも、様々なファッションとの相性が良いこともポイント。そのため、万能な革靴などと呼ばれることも。
ビジネスカジュアルなどのフォーマル寄りなカジュアルスタイルはもちろんのこと、休日に着るようなカジュアルなコーディネートに取り入れても違和感がなく、引き締まった印象を与えてくれます。
近年では、ストリート色の強いコーディネートに取り入れられる場合もあるほど。
プレーントゥは、そのシンプルな外観からファッションの系統を選ばず、様々なコーディネートに取り入れることができるのです。
3 プレーントゥの種類
3-1 内羽根と外羽根
プレーントゥを始めとしたレザーシューズは、構造の違い、製法の違いなどから様々な種類があることで知られています。
そんな革靴のデザインの中でも代表的なのが、内羽根(バルモラル)と外羽根(ブラッチャー)です。
革靴のシューレスホールが開けられている2枚の革を羽根といいます。その羽根が靴の甲の内側に付いているものが内羽根、外側についているものが外羽根です。
内羽根は、履き口が必要以上に広がらず、シュータンが見えにくく、上品な印象に。対して外羽根は、軍靴をルーツに持っているため、着脱がしやすいように考えて作られているのが特徴です。
内羽根はフォーマル、外羽根は少しカジュアル寄りなシューズとして知られています。
3-2 Vフロント
革靴の中でもカジュアル寄りに位置する外羽根ですが、中にはフォーマル・ドレッシーな印象を持ったVフロントと呼ばれるものも存在します。
Vフロントは、プレーントゥに多く見られるデザインです。
その呼び名の通り、外羽根の羽根のトゥ側の部分がV字状に広がっていることからVフロントと呼ばれています。
外羽根式でありながらエレガントな印象のVフロントは、フォーマルなシーンにも適しているのが特徴です。
タキシードを始めとしたドレッシーな服装と合わせても違和感がなく、最も格式高い革靴とされる黒の内羽根ストレートチップと並び、冠婚葬祭などの礼装でも着用されています。
3-3 ホールカット
プレーントゥのデザインの中で最も特徴的なのがホールカット。
ホールカットとは、一枚の革で作られているプレーントゥのことです。その特徴からワンピースと呼ばれることも。
装飾のないトゥを持つプレーントゥだからこそ可能なデザインだといえます。
ホールカットの製作には高い製造技術と高品質なレザーが必要となるため、高い価格帯の製品が多いことも特徴の一つ。
ミニマムかつスマートな印象のホールカットは、特別な日を彩るのに相応しいドレスシューズといえるでしょう。
4 プレーントゥの選び方
レザーシューズを選ぶ際に、まず考えなければならないのが着用するシーンです。
革靴は種類やタイプごとに適切な着用場面が異なるため、履き方を間違えると印象が悪くなってしまうことも。
本項目では、プレーントゥのシーンごとの選び方について解説します。
4-1 フォーマルシーン
フォーマルなシーンで着用する革靴を選ぶ際、気を付けなければならないのが冠婚葬祭などの礼装に合わせて着用する場合です。
冠婚葬祭といったシーンでは、カジュアルな印象な靴は避け、内羽根式、もしくはVフロントのものなどフォーマルな印象の靴の黒色を選択しましょう。
プレーントゥの場合、黒で内羽根のストレートチップとは違い、普段着用するスーツとも違和感なく合わせることができる汎用性の高さもポイント。
しかしながら、冠婚葬祭のために革靴を新調するなどの場合は、最もフォーマルな印象のストレートチップを選択するのが好ましいでしょう。
ストレートチップについて、詳しくは下記の記事を参考にしてみて下さい。
4-2 カジュアルシーン
ビジネス・カジュアルの両シーンで併用できることもプレーントゥが持つメリットです。
ビジネススタイルとの併用を考えている方は、外羽根の暗めの色がおすすめ。暗めの色を選択することでくだけた印象を与えづらく、外羽根式なのでカジュアルスタイルに合わせても違和感がありません。
一方、明るい色の外羽根式を選択すると、ビジネスシーンでの着用に違和感が出る場合があるので注意しましょう。
もし明るいカラーをビジネスシーンで着用する場合には、内羽根式のものを選ぶのが理想です。
まとめ
今回は、革靴の中でも定番の「プレーントゥ」についてご紹介しました。
プレーントゥとは、トゥの部分に装飾やパンチング加工が施されていないレザーシューズです。
古くから様々な分野で着用されてきたプレーントゥは、そのシンプルでクセのないデザインからビジネススタイルはもちろんのこと、カジュアルなファッションにも取り入れることが出来る汎用性の高さを持っています。
しかしながら、シンプルなデザイン故に、装飾が施されたレザーシューズと比較すると、履きジワや汚れがついてしまった場合に目立ちやすいというデメリットも。
大切なシューズをキープするためにも、普段からシューキーパーや靴の乾燥剤等を使用した保管を心がけましょう。
プレーントゥを検討の際は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。