皆さんは「モールスキン」という素材をご存知でしょうか?
特に冬場を中心にファッションフリークたちから注目される「モールスキン」。ブルゾン、ベスト、ジャケット、パンツなど様々なアイテムの素材として使用されています。
とても丈夫にできている生地なので、大切扱えばずっと長く着ることができるという点も大きな魅力の1つ。
今回はそんなモールスキンについて、意外と知られていない歴史や素材の特徴、長持ちさせるために知っておきたいお手入れ方法に至るまで詳しくご紹介します。
1 モールスキンってどんな生地?
「モールスキン」とは綿糸で織られた短い起毛がある、厚手で優しい手触りが特徴の生地です。
面白いのはその名前の由来。見た目が「モグラの皮」に似ているところから、モグラ(mole)の肌(skin)=モールスキン(Moleskin)という名前がつけられたのだとか。
モグラの肌と言われても正直ピンとこないかもしれませんが、とてもユニークなネーミングですよね。
ちなみにモールスキンに使われている「コットン」については、以下の記事で詳しくご紹介していますので併せて読んでみてくださいね。
2 モールスキンの歴史
モールスキンが登場したのは1940年〜50年代のフランス。
当時はワークジャケットや作業着の素材として用いられ、アメリカで言うところの「デニム」のように広く大衆に受け入れられていた身近な素材だったのだとか。
中でも炭鉱夫を中心に着用されていたようですが、月日が経つにつれファッションアイテムとして注目されるようになりました。
現在でもユーズドのモールスキンジャケットは「フレンチビンテージ」として、ファッションフリークたちからも根強い人気を誇っています。
3 モールスキンの特徴について
3-1 とても丈夫な生地
キャンバスやデニムといった生地よりもさらに丈夫と言われるモールスキン。強度の秘密は生地の密度の高さと厚みと言われています。
キャンバスやデニム地と比べるとそれほど太い糸は使われませんが、高密度かつ裏表が起毛するような生地の織り方をすることで強くしなやかな生地に仕上がります。
この堅強な作りが、当時のブルーワーカーたちを支えていたわけです。
ワークウェアの素材として用いられるのにも納得がいきますね。
3-2 ふっくらとした優しい手触り
モールスキンの魅力はただ丈夫な生地というだけではありません。
もう1つの魅力はその手触りの良さ。触るとふっくらとして、とても風合いのよい生地なんです。裏表を起毛するように織られているため、優しく温かみのある手触りを生み出しています。
また、起毛している生地の断面に多くの空気を取り込むことで保温性を高める効果もあります。そのため秋冬のジャケットやブルゾンの素材としても有名です。
4 モールスキンのお手入れ方法とは?
さて、モールスキンの生地はどのようにお手入れや洗濯をしていけばよいのでしょうか。誤ったケアをしてしまう前に、正しいメンテナンス方法をしっかりと覚えておきましょう。
4-1 まずはしっかりブラッシングを
モールスキンは生地の表面が起毛しているため、汚れやホコリが溜まりがちです。そのまま放置しておくと見栄えもよくないですよね。
保管時はできるだけ埃っぽい所を避けつつ、着用後はしっかりブラッシングしてあげましょう。
ブラシは市販の豚毛ブラシなどがオススメです。毛先が柔らかいため、美しく起毛したモールスキンの生地を傷めずに優しく汚れを落とすことができます。
ブラッシングで繊維の毛足が整えることで、秋冬のコーディネートにふさわしい上品な雰囲気に仕上がるはずです。
4-2 普通に洗濯して大丈夫?
厚手のモールスキンは洗濯しても良いのか心配になりますよね。結論から申し上げると、モールスキンは原則として自宅で洗濯しても問題ありません。
ただし製品によって生地感なども異なるため、まずは念のために洗濯表示マークを確認しておきましょう。
丸洗いする場合には、おしゃれ着用の中性洗剤を使ってぬるま湯で押し洗いするのが基本です。洗濯後は、風通しの良い場所で平干ししておきましょう。
ガシガシ着込んでしっかりとメンテナンスしてあげれば、モールスキンの風合いがより一層増していくはずです。
まとめ
本日はカジュアルで上品さがある生地「モールスキン」についてご紹介しました。
ふっくら厚みがあり、優しい手触りの「モールスキン」は元々はフランス発祥の作業着やワークジャケットなどで使われていた生地だったわけです。
耐久性に優れている厚手の生地と触り心地のよさから今では、パンツやジャケットなどのカジュアルアイテムにも多く使われている素材となりました。
独特な光沢があり、リラックス感や上品な大人の雰囲気を出すことができるモースルキン。ぜひ今年のコーディネートに取り入れてみてはいかがでしょうか?