トレンドアイテムとして近年注目を浴びている「モックネック」。
アパレルショップでの展開はもちろん、雑誌・ネット・SNSで見かける機会も多いため、一度は目や耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
ですがモックネックと言われてもどのようなデザインのアイテムのことをさすのかなかなかイメージしにくいなんて事も…。
そこで今回は、意外と知られていないモックネックのルーツや、混同しやすいタートルネックやハイネックとの違いなどについてご紹介していきます。
1 モックネックとは
モックネックの語源は「モック・タートル」。
モックには「まがいもの、見せかけの、偽物の」という意味があります。そのためモックネックは「モック・タートル」=「タートルネックのまがいもの」という意味を持ちます。
そんなモックネックの定義はかなり曖昧。実はタートルネックよりも高さが低いネックラインであればモックネックになってしまうんです。
ハイネックも同様に折り返しの必要がないので、モックネックに似た分類に。ややこしいですが、簡単にいうと呼び方が異なるだけでモックネックはハイネックと同じ種類のアイテムなんですね。
2 モックネックとタートルネックの違い
前述のようにタートルネックやモックネックなどは、ネック部分のデザインの違いによって、呼び方が変わってきます。
明確な定義が難しいためにどれがどの形なのか、違いはどこなのか分かりづらいですよね。この章ではタートルネック、ハイネックの違いを紹介していきます。
2-1 タートルネック
タートルネックとは、首筋に沿って折り返すことのできる長さのある襟のこと。
亀が甲羅から首をだしている様子に似ていることからタートルネックという名前がつけられたといわれています。
タートルネックの形が使用され始めた時代はなんと中世から。当時はファッションのためではなく、原型は鎖帷子(くさりかたびら)や鎧から首回りを保護するために生まれたのだそう。
また、寒い地域や海上で防寒対策として考案されたものでもあり、海軍のユニフォームとしても一部採用されています。本来は長いエリを伸ばし顔の下半分を覆うものですが、その必要がない場合は折り返して着用するアイテムです。
2-2 モックネック/ハイネック
セーターやプルオーバーなどの襟として多く使用されるのはハイネックも同様。
首にそって立ち上がった襟が特徴のハイネック。首元を折り返して着用するタートルネックに対し、折り返しのないネックラインが特徴です。
ちなみにハイネックにはタートルネックのようなルーツはなく、タートルネックのファッション性を強くしたものがハイネックになったと考えられています。
3 モックネック/ハイネックの流行の変遷
80年代、90年代にもモックネックはトレンドアイテムとして扱われていました。
80年代後半ではヤンキーファッションとして、カーディガンのインナーにハイネックを合わせるコーディネイトが流行。90年代前半ではフレンチカジュアルのキーアイテムのひとつとして重要な役割を果たします。
近年では海外を中心とし、リバイバルファッションとして80年代後半から90年代前半のファッションが注目されています。
リバイバルファッションの台頭も手伝い、2015年頃からハイネックの人気が徐々に増加。現在のポジションを確立するに至ります。
また、タートルネックとは違い首元がシンプルに見えるため、スーツやジャッケットのインナーとして使われることも増えてきました。1枚でもインターとしても、カジュアルにもフォーマルにも使える汎用性の高さも人気増加の理由と言えるかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。モックネック(ハイネック)とタートルネックの違いは、簡単に言ってしまうと首筋に沿って折り返すことができるか否かという点のみ。
リバイバルファションの重要アイテムでもあったモックネックは、様々なファッションに合わせられる高い汎用性も魅力的です。
定番のタートルネックにはちょっと飽きてしまった、なんて方にもうってつけ。
主張しすぎず首元にさりげなくアクセントをプラスしてくれるため、秋冬のコーディネートに一着持っておくと主役級の活躍をしてくれること間違いなしのアイテムです。
近年のモックネックは”最新のトレンドアイテム”というよりも、ベーシックなワードローブの1つとして浸透しつつあります。タートルネックばかりだった方も、今季はモックネックにも挑戦してみてはいかがでしょうか?