スニーカー好きなら必ず押さえておきたいのがローテクスニーカー。スニーカーに詳しくない方でも一度は耳にしたことがあると思います。
ローテクスニーカーとは、昔ながらの技術・製法で作られたクラシカルなスニーカーのこと。
そのデザインのみに留まらず、多くの魅力を持っているローテクスニーカーは、ファッション感度の高い人達からも高い支持を得ています。
しかしながら、ローテクスニーカーの魅力は、所持して履き込んだ人にしか分からないものが多いのも事実。
そこで本記事では、ローテクスニーカーを知らない方や検討中の方にもわかりやすく、概要から年代ごとのスニーカーの流行、ローテクスニーカーを選ぶメリット・選ぶ際のポイント、育てる際の注意点に至るまで詳しくご紹介します。
1 ローテクスニーカーとは?
ローテクスニーカーとは、簡単に言ってしまうと、昔ながらの技術・製法で作られたクラシカルなスニーカーのことです。
本項目では、ハイテクスニーカーとの違いやローテクスニーカーの代表的なブランドについて解説します。
1-1 そもそもハイテクとローテクってなに?
ローテクスニーカーを知る上で、まず知っておきたいのがハイテクスニーカーとローテクスニーカーの違いです。
そもそもハイテク・ローテクとは、技術の違いのこと。ハイテクは「High Technology」、ローテクは「Low Technology」のことを指します。
しかしなにを指し示してハイテク・ローテクを定義しているのかその違いは明確には定義されておらず、はっきりと違いが分からない方も多いのではないでしょうか。
わかりやすく解説すると、両者の違いをはっきりさせているのはアッパーの技術やソールです。
昔ながらの技術で作られ、長らく愛されているローテクスニーカー。それに対してハイテクスニーカーは、発売したメーカーの当時を代表する技術を惜しみなく使って生み出された、技術の結晶と言えるでしょう。
1-2 ローテクスニーカーの代表的なブランド
ハイテクスニーカーを高頻度で展開しているブランドは、NIKE(ナイキ)やadidas(アディダス)、Reebok(リーボック)、New Balance(ニューバランス)などが代表的ですよね。
一方で、ローテクスニーカーを主力製品として展開する代表的な二大ブランドが、VANS(ヴァンズ)とCONVERSE(コンバース)です。
このローテクスニーカーを代表する両ブランドは、技術が進歩し、スニーカーの新しい製法も誕生した近代になってもなお、昔ながらのバルカナイズ製法で作られたゴム巻きスニーカーを主力製品とする生粋のローテクスニーカーブランド。
その他にもOnitsuka Tiger(オニツカタイガー)やMoonStar(ムーンスター)など日本ブランドのローテクスニーカーも海外での評価が高いことで知られています。
バルカナイズ製法について、詳しくは下記の記事を参考にしてみて下さい。
2 年代ごとのスニーカーの流行
その年代ごとにファッションの流行があるように、スニーカーにも時代によって流行があります。
例えば90年代には、世界中でハイテクスニーカーブームが起き、多くのメーカーが最新技術を駆使したハイテクスニーカーを数多く世に送り出しました。
当時のハイテクスニーカーは、日本国内でも凄まじい人気を誇ったことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
中でも、ナイキのAIR MAX(エアマックス)シリーズを始めとしたナイキのクッショニングシステム「AIR」が可視化された「Visible AIR(ビジブルエア)」が搭載されたモデルは大きな話題を集めました。
エアマックスの人気がピークだった時期には、「エアマックス狩り」なる事件が多発したことで「AIR MAX 95」は、国内を代表するモデルにまで成長し、現在に至るまでその人気を維持しています。
3 ローテクスニーカーのメリット
技術の最先端ハイテクスニーカーが流行した時代にも、一定数ローテクスニーカーを好んで履いている人達が存在しました。
なぜ現在でもローテクスニーカーを履き続けている人がいるのか。本項目では、その魅力・メリットについて解説します。
3-1 年代に左右されないカッコよさ
ローテクスニーカーを履くメリットは、トレンドに左右されない外観・フォルムです。
多くの人々に愛されてきたスニーカーなだけあって、誰からみてもカッコいいのがローテクスニーカー。流行のスニーカーも素敵ですが、やっぱり昔ながらの方が落ち着きがありますよね。
ハイテクスニーカーを履いている時に、汚れなどがついてしまいショックで落ち込んでしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
一方、ローテクスニーカーにとっては、そんなちょっとした汚れも「味」として捉えることができます。ハイテクスニーカーのように気負わずさらっと履くことができるのです。
3-2 ファッションとの親和性
様々なファッションと相性が良いことも、ローテクスニーカーを選択するメリットの一つ。
変化の激しいファッションの流行とともに、テイストはもちろんのこと、パンツの太さや丈感も変化しますよね。
市販されているハイテクスニーカーは、インパクトのある見た目や無骨なシルエットのものが大半を占めます。
うまくコーディネートできたらカッコいいけど合わせる自信がない、前と服の系統が変わってしまったから合わなくなってしまったなんて方も多いはず。
一方のローテクスニーカーは、シンプルなシルエットのものが多いためコーディネートし易く、服の系統が変わってもバッチリハマってくれます。
ハイテクスニーカーのようなファッションのメインとなるポイントは少ないものの、ファッションの一部となって違和感なく溶け込んでくれるのがローテクスニーカーの魅力と言えるでしょう。
3-3 育てて楽しむローテクスニーカー
ハイテクスニーカーと比べて寿命が長いのもローテクスニーカーが持つ特徴の一つ。
そんな特徴を持つローテクスニーカーならではのメリットは、履き込んでいくうちに経年変化を楽しめることです。
始めは窮屈な感じがするキャンバス素材などのアッパーも、履いていくごとに自分の足の形にフィットするように馴染んできます。
一般的なスニーカーだと黄ばんだり汚れがつくと、気になってしまいますが、ローテクスニーカーにとって傷や汚れは「味」。
大事に履き込むことで他にない表情、自分だけのスニーカーに育て上げられることもローテクスニーカーが持つ大きな魅力です。
4 ローテクスニーカーを選ぶ際に押さえておきたいポイント
4-1 始めの一足はシンプルなデザインなものを
ローテクスニーカーを購入する際に重要なのが、そのデザイン。
鮮やかなカラーや柄が印象的なデザインも多いローテクスニーカーですが、始めの一足は、シンプルなカラー・デザインの定番モデルを選択しましょう。
ローテクスニーカーを無理なく育てるためにも、自分が日常的に着る服装の多くと相性が良いものを選ぶのがベスト。
また、ソールのカラーは、綺麗に黄ばんで経年変化をより実感することができる白がおすすめです。
まずはシンプルな定番モデルを育ててから、二足目以降にデザイン性の高いモデルを購入することで、経年変化を見比べられ、より育てる楽しみを実感することができるでしょう。
4-2履き心地は気にせずデザインで選ぶ
ローテクスニーカーを選ぶ際に気を付けたいポイントは、履き心地を重視して選ばないことです。
基本的にローテクスニーカーは、履き心地が悪いものが多いものの、中には、クッション性の高いインソールを採用して履き心地を考慮して作られているモデルも存在します。
しかしながら、良いインソールを使ったからといってその履き心地は、履き心地や使用感を考慮してソール全体が設計されたハイテクスニーカーには遠く及びません。
ローテクスニーカーを選ぶ際には、履き心地は気にせずにデザインで選び、あとで市販のインソールで調整するのがおすすめです。
市販のインソールの中でも高機能な製品が発売されているので、様々なものを試してお気に入りのインソールを見つけましょう。
4-3 サイズ選びは特に慎重に
ローテクスニーカーを選ぶ際に抑えておきたい最後のポイントは、サイズ選びです。
履き心地を考慮せず、デザインで選ぶローテクスニーカーにとって履き心地を左右するのがインソール。
ローテクスニーカーを選ぶ際は、インソールを入れることを考慮したサイズ選びを心掛けましょう。
つま先の余りは気にせず、甲の高さで調節するので、普段履いているサイズよりも少し大きめのものを選ぶのがおすすめ。
気になる方は、スニーカーショップに購入したインソールを一緒に持って行くと良いでしょう。
スタッフに試着をお願いする際、インソールを入れてサイズ感を確かめても良いかどうかを訊ねてみることをオススメします。
サイズ選びについて、詳しくは下記の記事を参考にしてみて下さい。
5 美しくローテクスニーカーを育てる際の注意点
よりカッコよくローテクスニーカーを育てる際に注意しなくてはならないのが、傷とメンテナンスです。
ただ履いて汚れたスニーカーと美しく育ったローテクスニーカーは、まったくの別物。
確かに、ローテクスニーカーにとって、ある程度の汚れは「味」です。ただし、傷がついてしまったり汚れがつき過ぎてしまうと汚く、不潔な印象になってしまいます。
大きな傷や過度な汚れがついてしまうと、せっかくの風合いを損ねてしまうことも。
ローテクスニーカーをカッコよく育てるためにも、大きな傷には注意し、汚れが目立ってきたら適切な方法でクリーニングをしましょう。
正しいスニーカーのメンテナンスについて、詳しくは下記の記事を参考にしてみて下さい。
まとめ
今回は、ローテクスニーカーについてご紹介しました。
ハイテクスニーカーと比較すると性能では劣るものの、長きに渡り多くの人に親しまれてきたローテクスニーカー。
様々なファッションとの相性が良く、ハイテクスニーカーのように汚れに気を使うことなくさらっと履けます。
また、耐久性も高く、寿命も長いことから経年変化を楽しめ、自分だけのスニーカーに育てられるのもローテクスニーカーならではのメリットです。
ただし、大きな傷がついてしまったり過度な汚れは、汚く、不潔な印象になってしまうので、適度なクリーニングを心がけましょう。
ローテクスニーカーを検討中の方や初めて購入する方は、ぜひ本記事を参考にしてみてくださいね。