吊り編みスウェットって何?特徴や一般的なスウェットとの違いを解説

近年、セレクトショップを中心に取り扱われ、ファッションフリーク達からも密かに人気を集めているのが「吊り編みスウェット」と呼ばれるアイテムです。

なんとなく特別な感じがするけれど、普通のスウェットと一体何が違うのかよくわからない!なんて思っている方も多いのではないでしょうか?

確かに一見しただけでは素人目からすると、普通のスウェットも吊り編みのスウェットも全く同じものに見えてしまうのも事実です。

しかしながら両者には、製造にかかる手間と時間、そして着心地など大きな違いがたくさんあります。

本日は、そんな吊り編みスウェットの「特別感」の理由を分析していきましょう。

1 そもそも吊り編みスウェットって何?

吊り編みスウェットの生地

吊り編みスウェットとは、「吊り編み機(ループウィラー)」と呼ばれる特殊な編み機を使って製造されるスウェットのことです。

吊り編み機を使って製造する場合、普通の編み機よりも時間がかかる上に編み機の台数自体が少ないため、ファストファッションブランドのアイテムのように大量生産することができません。

また吊り編み機自体を扱える職人さんの数も少ないため、いつ技術が途絶えてしまうかもわからない状態にあるわけです。

ひょっとすると5年後、10年後にはもう手に入らないかもしれない…。

そんな希少な編み機を使って丁寧に時間をかけて作られる、ちょっと特別なスウェットこそ「吊り編みスウェット」なのです。

2 普通のスウェットと吊り編みのスウェットは何が違うの?

では具体的に、普通のスウェットと吊り編みスウェットの違いは一体どこにあるのでしょうか。

両者の違いについて詳しく見ていきましょう。

2-1 製造にかかる手間と時間

一般的な編み機で作られるスウェットと吊り編みスウェットでは、製造にかかる手間と時間が段違いです。

最新の編み機はプログラムを組み込むことで、スピーディーに大量生産することができるようになりました。

一方で、吊り編み機は日本にたった約400台程度しかありません。そのうち実際に稼働しているのは、わずか200台程度。

非常にアナログな機械ですので、編み機自体も職人さんがひとつ一つ手作業で調整しながら使用する必要があります。しかも吊り編み機が1時間かけて編むことのできる生地の長さは、たった1m程度。

スウェットをたった1着を完成させるだけでも時間と手間がかかるのです。

2-2 袖を通した時にわかるふんわりとした着心地

手間暇かけて作られた吊り編みのスウェットは、袖を通した時にその特別感がよくわかります。

糸に余計な力をかけずに時間をかけて編んでいくため、通常のスウェットとは違う、まるで空気を含んだようなふんわりとした着心地が大きな特徴です。

そのストレスフリーな着用感に病みつきになってしまう方も多いのだとか…。

確かに生産効率自体は非常に悪いかもしれません。しかし大量生産されるスウェットとは一味もふた味も異なる上質な着用感は、吊り編み機にしか出せない素晴らしい魅力の1つです。

2-3 吊り編みスウェットは値段が少々お高め

吊り編みスウェットは、通常の編み機を使って製造されるスウェットよりも時間も手間もかかります。

そのため、値段設定も少々お高めになってしまうことも多いようです。だいたい16,000円〜20,000円前後が相場と考えた方が良いでしょう。

スウェットがたった1着で2万円!?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。確かにスウェットの値段としては、かなり高額な方に分類されます。

しかしながら、その値段の価値は袖を通した時にきっとわかるはずです。

もし店頭で見かけた方は、ぜひ一度試着してみてくださいね!

3 現存する吊り編み機は和歌山県にある約400台のみ

吊り編みスウェットを作るために欠かせない、吊り編み機は和歌山県にある約400台のみです。

最盛期は世界に9000台前後あったと言われていますが、現在は20分の1程度まで減少。

稼働可能な編み機は全て日本の和歌山県にのみにあります。つまり世界的にみても吊り編み機は非常に貴重な存在だということがおわかりいただけるはずです。

大手衣料品メーカーも、吊り編みスウェットを発注する際には和歌山県にある工場を利用する他ありません。

まとめ

本日は、吊り編みスウェットについて詳しくご紹介しました。

正直なところ、吊り編み機を使ってスウェットを作るのは現代おいて「非効率」と言う他ありません。

しかしながら、これはあくまで経済的な意味での効率を重視した時の話。どんなに非効率と言われようとも、手間暇かけて丁寧に作るからこそ実現できる上質な着心地は確かに今もそこにあります。

日本のモノづくりの素晴らしさが凝縮された吊り編みのスウェット…。

もし立ち寄ったセレクトショップの店頭に並んでいた場合には、ぜひ一度試着してみてくださいね!