コートやスーツなどに使われる「ギャバジン」という生地をご存知ですか?
ギャバジンとはウールやコットン、ポリエステルなどの素材から作られるツイル生地のことです。
撥水加工が施された「バーバリー」のトレンチコートに使われている素材として有名ですよね。もともとはバーバリーの創業者が開発した素材なのです。
知らないうちにギャバジン生地の使われたパンツなどを着用している方も多いはず。
そこで本記事では、ギャバジンの特徴からお手入れの方法まで詳しくご紹介します。
1 そもそもギャバジンとは?
ギャバジンとは、バーバリーの創業者トーマス・バーバリー氏が1879年に開発し、1888年に特許を取得した生地のことです。
当時の雨具として主流だったのは、ゴム引き布が素材として使われているレインコート。しかしゴム引き布のレインコートは、通気性、着心地が悪い、重いなどデメリットが多い素材でした。
それに代わる通気性、撥水性、耐久性に優れた着心地の良い素材として考案されたのがギャバジンなのです。
2 ギャバジンの特徴
2-1 優れた撥水性
まず、ギャバジンの最も大きな特徴として上げられるのがその撥水性です。
トーマス・バーバリー氏が開発したギャバジンは、撥水加工が施されたコットンの糸を使用して生地を織ります。
さらに糸だけではなく、織り方も綿密な綾織りをすることで、密度が高く、水分の染み込みづらい生地ができるのです。
そして、織られた生地に再度撥水加工を施すことによって、当時のレインコートに代わる新たな耐水、撥水素材となりました。
現在でも様々な製品に利用されていることから分かる通り、当時では革新的な加工技術であったことが伺えます。
2-2 滑らかな質感
ゴム素材が主流だった当時のレインコートと比べてギャバジンは、質感に優れた素材です。
綾織りで密度を高く織られているため、光沢を持った滑らかな生地で高級感があります。
また、ハリがあるので汚れづらく、耐久性が高いことも特徴の一つ。
そのような質感を持っていることから、フォーマルなシーンでのスーツを始めとし、トレンチコート、ツイルパンツなどのカジュアルなパンツ、作業着に至るまで幅広く使われている生地なのです。
3 ギャバジンのお手入れ方法
ギャバジンは、きつく綾織りをした丈夫な素材のため、特別なお手入れが必要ないのも魅力の一つ。
日々のお手入れは、馬毛などの柔らかなブラシを使い、埃を落とすよう全体的にブラッシングをするだけで良いのです。
しかし、シミになり易い素材を使っている場合もあるので、ブラッシングで落とせない汚れがついてしまった場合は、出来るだけ早くクリーニング専門店に依頼をするのがおすすめ。
また、家庭での洗濯は、ウールなどの素材が使われている場合、縮む可能性があります。洗濯表記を確認してから洗濯しましょう。
丈夫な生地として知られるギャバジンですが、気をつけてお手入れをすることで、さらに長く使っていけるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、バーバリーが開発した撥水素材のギャバジンについてご紹介しました。
その耐久性、品のある質感からコートやスーツ、作業着まで幅広い用途で使われているギャバジン。
お手入れも簡単な生地ですが、ウールなど家庭での洗濯ができない繊維を使用している場合もあるので注意しましょう。
上品な光沢があり、滑らかな肌触りを持つ高級感のある素材ギャバジン。様々なシーンでコーディネートに取り入れられる生地なのできっと満足して頂けるでしょう。