「織物」とは?その特徴や糸の種類や織り方で変わる分類方法までご紹介

皆さん「織物」という言葉をご存知ですか?

洋服を選ぶ時、デザイン以外にも素材や布地などもポイントになりますが、その布地の種類のひとつが「織物」です。

シャツやジャケットでよく用いられるこの「織物」ですが、種類がたくさんあるため、それらがどのように分類されているかご存知の方は意外と少ないはず。

本日はそんな織物の特徴や起源や歴史、混乱しがちなたくさんの種類を整理しながら詳しく見ていきましょう。

1 「織物」って何?その特徴について

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衣服の材料である布地は糸や繊維から作られていますが、「織物」とは糸から作られた布地のひとつ。

たて糸(経糸)よこ糸(緯糸)を互いに直角に交差させ、隣の糸と密着させ平面的に連なった組織を形成した織地のことをそう呼びます。

たて糸(経糸)とよこ糸(緯糸)が交差しているため、ほとんど伸び縮みしないという点が特徴の1つ。ただし、糸の種類や織り方によって生地の質感や性質は変わります。

2 織物の起源や歴史について

織物の歴史は古く、紀元前1万年前の新石器時代には麻織物がすでに使用されていたと言われています。

そこから紀元前4500年頃からは綿織物が、紀元前2000年頃になると高品質な毛織物がすでに存在していたのだそう。

織物が登場した初期の頃は居座機(いざりばた)竪機(たてばた)といった原始的な織機が使用されていました。

しかし18世紀初頭になると、イギリスで発明されたフライ・シャットル織機、後半には蒸気機関を利用した力織機の登場で織機が飛躍的な発展を遂げるに至ります。

ちなみに日本に力織機が輸入されたのは、1858年江戸時代末期の頃。イギリスから鹿児島紡績所に100台の力織機が輸入されたのが最初だと言われています。

3 たくさんあって悩む?織物の種類について

「織物」には種類が多く、原材料や糸の種類で分けられるだけでなく発祥地や新しい技法などの慣習によって名付けられるなんてことも…。

たくさんありすぎて混乱しがちな織物の種類についてどんな分類があるか見ていきましょう。

3-1 原料による分類

まずは綿織物や麻織物、絹織物と言った原材料による分類。

棉、麻、絹ような天然繊維もそうですが、石油などから作られる化学繊維も広く利用されています。

代表例としては綿織物では天竺、毛織物のベロア、絹織物の羽二重や縮緬、合成繊維のナイロンやポリエステルなど、分類される「織物」の中では一番細分化できる種類かもしれません。

3-2 糸の種類による分類

織物に使用されている糸の種類による分類もあります。

代表例としては「フィラメント織物」「スパン織物」などがあげられますが、これは使用されているフィラメント糸」、「スパン糸」と言った糸の種類が名前の由来。

「フィラメント糸」は絹糸のように長い繊維を合わせたもので、光沢があり細くても強いのが特徴。

「スパン糸」は綿糸のように短い綿状の繊維を合わせたもので、生地に馴染みやすく、縫いやすいと言った特徴があります。

3-3 形態による分類

たて糸(経糸)とよこ糸(緯糸)を交互に織る基本の平織物や、それぞれの糸を浮かせて織る斜文織物(綾織)など、織り方の形態による分類もあります。

代表例ではデニムなどが綾織で織られた生地の1つ。

ちなみに綾織の特徴として、デニムのような厚手の生地を織ることができるため、強度は平織物より若干劣ってしまう反面、身近な衣類であるジーンズやチノパンなどに幅広く使用されています。

3-4 用途による分類

紳士服や婦人服、ワーキングウェアやスポーツウェアなど使用する用途でも織物を分類することができます。

衣類をはじめ、カーテンなどのインテリア織物やメッシュなどの産業資材織物などの様々な種類があります。

3-5 地名による分類

織物の発祥の地名がそのまま生地の由来となる場合もあります。有名なものでは「ガーゼ」や「ギンガム」と言った生地は実は地名が由来だったのはご存知でしょうか?

ちなみに日本のものでは、茨城県結城地方が発祥の「結城紬(ゆうきつむぎ)」などが有名です。

3-6 人名による分類

着物で有名な「友禅」。これは友禅染の創始者である江戸時代に活躍した絵師の名前です。「アムンゼン生地」「ジョーゼット生地」などの織物も同様に人名が由来なのだそう。

このように人名がそのまま織物の名称の由来となっているものもあります。

3-7 染色法による分類

生地の織り方以外にも、染色方法による分類もあります。

織る前に染めあげる「先染め」、織った後に染めあげる「後染め」などなど…。生地を華やかに彩ったり模様を作り出すための染色技法もさまざまあるようです。

3-8 機能による分類

最後にストレッチ加工や防水・撥水加工、UV加工など、生活に便利な機能が付加された生地による分類です。

これらには生地に化学繊維が用いることで、特別な加工を施すことが可能となっています。

4 似ている?似ていない?織物と編物の違い

織物と編物はどちらも糸から作られた布地ですが、2つの違いについてご存知でしょうか。

糸を縦横に組み合わせて作られる「織物」に対して「編物」はループを作り、そのループに次の糸を引っ掛けて連続してループを作る、文字通り編んで組織を形成した布地のこと。

それぞれアイテムで比べてみると、織物はシャツ、ジャケット、コートなどが伸縮性がなく、薄手のものから厚手のものまで幅広いアイテムが中心です。

一方、編物はセーター、カーディガン、ニットなど、織物よりアイテムの幅は狭いかもしれませんが伸縮性や通気性が高いという特徴があるので、アウター以外にもインナーなどに用いられます。

織物と編物にはそれぞれ特徴やメリットがあり、違いを知っていれば洋服選びも楽しくなるかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本日は「織物」について、歴史や起源から多岐にわたる種類についてまでご紹介しました。

原材料や糸の種類やその形態、はたまた地名や人名まで…。「織物」と一言でいってもその種類がかなり多いということが分かっていただけたかと思います。

私たちが普段から着用している身近な衣服についても、どのような布地が使われ、それがどの「織物」の種類に属していてどんな違いや特徴があるのか、少しでも理解できれば洋服選びもまた違う視点で楽しめるかもしれません。

ぜひ、洋服選びで「織物」について迷った時は、本記事ので紹介した内容を参考にしてみてください!