【レザー入門編】ディアスキンとは?実用性抜群の鹿革が持つ4つの特徴

皆さんは、天然皮革の中でも希少な素材「ディアスキン」をご存知ですか?

その名の通りディアスキンとは、鹿から採れる上質なレザーのことで、主に雌の鹿から採れたレザーのことを呼びます。

レザー好きの方なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?

雌鹿は、牛や馬、雄の鹿などの動物と比べると小ぶりな体躯をしているため、一頭から採れるレザーの量が少なく、とても貴重な素材として知られています。

ディアスキンは、優れた軽量性と耐久性を有することから、使いやすさも抜群。型崩れしにくく、お手入れがしやすいのもポイント。

本記事では、そんなディアスキンの概要から特徴、その他の鹿革の種類、注意点、お手入れ方法まで詳しくご紹介します。

1 ディアスキンとは

ディアスキンとは

ディアスキンとは、その名の通り鹿から取れるレザーのことです。

主に雌の鹿から採れたレザーのことをディアスキンと呼ぶことが多く、雄の鹿から採れるレザーとは区別して呼ばれています。

柔らかな手触りや高い柔軟性・耐久性などの特徴を持っていることから、汎用性が高く、様々な製品に使用できることで有名です。

そんな実用性の高い特徴を持つディアスキンは、古来から各国の様々な民族で使用されてきたことでも知られています。

2 ディアスキンの特徴

2-1 柔らかな手触りと高い柔軟性

柔らかな手触りと高い柔軟性

ディアスキンの最大の特徴は、その柔らかな手触りと高い柔軟性です。

繊維のきめ細かさから生み出されるその柔らかくて滑らかな質感は、一度触ったらクセになること間違いなし。

高い柔軟性も持っていることから、ジャケットやパンツ、グローブなどにも使用されています。

その柔軟性から、レザーアイテムの多くが必要とする”革が馴染むまでの硬くて窮屈な育成期間”がほとんど必要ない点も、ディアスキンならではのメリット。

購入してすぐに、ディアスキン特有の柔らかな質感を楽しめることでしょう。

2-2 通気性が抜群

通気性が抜群

ディアスキンは、通気性が高く、湿気に強いのも特徴の一つ。

多くのレザーアイテムのデメリットとしてよくあげられるのが、その通気性の低さ。

通気性が低いほとんどのレザーアイテムは、暖かい日の着用には向かず、湿気に弱く、カビが生えてしまわないよう保管にも気を使う必要があります。

一方でディアスキンは、抜群の通気性を持っているので、真夏などの暑い時期をのぞき一年を通して着用することが可能なのです。

また湿気にも強く、通常の衣料品と同じような保管方法でもカビが生えてしまうことは滅多にありません。湿度の高い日本にはピッタリのレザーだと言えるでしょう。

2-3 耐久性が高くて軽量

軽量で耐久性が高く、型崩れしにくいのもディアスキンの特徴です。

レザー製品の多くは、手に持った時にズッシリと感じる重量感を持っています。中にはこのレザー特有の重量感が好きな方もいますが、一般的に身に着けるアイテムは軽い方が良いですよね。

ディアスキンは、その他のレザーと比較すると軽量なレザーとして知られています。

ディアスキンを使ったジャケットなどの製品は、他のレザー製品よりも軽く、レザーアイテムを着用した時に感じる重量感をほとんど感じさせないのも嬉しいポイント。

加えてディアスキンは、厚さが均一で繊維がきめ細かいため、レザー製品によく見られるひび割れ・型崩れ・色褪せ等が起こりづらく、耐久性にも優れています。

2-4 水に強くて濡れても安心

水に強くて濡れても安心

ディアスキンは、きめ細やかな繊維の中に豊富な油分を含んだレザーです。

油分を豊富に含んだディアスキンは、レザー製品全般が持つ弱点の雨などの水分に強いという特徴を持っています。

少量の水分では、レザーの繊維内に含まれた油分は失われないので、ひび割れなどにも強くてメンテナンスも簡単なのも嬉しいポイント。

ディアスキンのアイテムは、少しの雨なら気にせず使うことができるのです。もちろん、過度な湿り気は他のレザーと同様、シミやダメージの原因になるので注意しましょう。

3 鹿革の種類

鹿革の種類

本項目では、雌の鹿から採れる「ディアスキン」意外にも数種類存在する鹿革について簡単にご紹介します。

3-1 バックスキン

雌の鹿から採れた革がディアスキンなのに対して、雄の鹿から採れた革を「バックスキン」と呼びます。

雄の鹿の革は、元から傷が多いという性質上、銀面(表面)をサンドペーパーなどでバフ掛け(研磨)をして起毛させる加工方法が代表的です。こうして起毛させたバックスキンは、独特の風合いや柔らかな質感で手触りが良いのが特徴。

質感がスエードに似ていることからよく間違えられることがありますが、バックスキンは銀面、スエードは床面(裏面)を起毛させた全く別の革なのです。

同じ加工方法で銀面を起毛させたレザーの「ヌバック」は、バックスキンが由来と言われています。

3-2 エルクレザー

「エルクレザー」は、北米やユーラシア大陸に生息する大型の鹿から採れる革のことです。

柔らかな手触りや耐久性、美しい経年変化などのレザー好きにはたまらない特徴を持っているエルクレザー。しかしながら、近年では市場に本物はほとんど出回っておらず、非常に希少なレザーとして有名です。

全ての大鹿が野生環境で生活しているため傷が多い、革が厚い、柔らかいなどの理由から製品として加工するのが難しいことでも知られています。

現地では、多くの大鹿は食用として狩猟され、頭数減少を防ぐために狩猟期間も設けられているなど、希少価値が高いレザーなのです。

3-3 セーム革

「セーム革」は、鹿革を鱈油を使ってなめし加工を施したレザーです。

繊維がきめ細かく、柔らかな手触りをしているのが特徴のセーム革。高い保湿性を持っているため、水分にも強く、油汚れなどを落とすのに最適な素材と言われています。

こうした性質からジュエリーや腕時計などを傷つけずにお手入れすることができるので、貴金属用のクロスとして用いられることも多いのだとか。

さらにセーム革は、ほとんどのレザー製品で厳禁とされている水洗いまでできるのがポイント。

その優れた耐水性から、セーム革を使用した車用の仕上げクロスも存在します。

4 ディアスキンを扱う上での注意点

ディアスキンの注意点

ディアスキンは、丈夫で耐久性が高い反面、傷がつきやすいレザーとしても知られています。

特にひっかき傷には弱く、ディアスキンが使用されたバッグなどの製品を使う場合、机の角などの尖った部分で引っかけてしまうと傷がついてしまうので注意しましょう。さらに強い摩擦にも弱く、銀面が剥離してしまう原因になるので注意が必要です。

また、ディアスキンは、柔らかな質感で手触りが良いという特徴を持っていますが、その特徴から経年変化が比較的早いことでも知られています。

使用頻度が高いと経年変化ですぐに色や風合いなどが変わる場合があるので、ディアスキンを検討する場合には、エイジングを考慮したアイテム選びをするようにしましょう。

5 ディアスキンのお手入れ方法

ディアスキンのお手入れ方法

レザーの中でも日々のお手入れが簡単なのがディアスキン。

ディアスキンは、繊維内に油分を豊富に含んでいるため、レザー用のケアクリームなどを使用する必要がなく、お手入れは簡単なブラッシングだけでOK!

ディアスキンのアイテムを使用していて埃などが気になって来たら、柔らかい馬毛のブラシなどを使ってブラッシングしましょう。この時、強くブラッシングすると傷になってしまう場合があるので注意が必要です。

万が一ブラッシングで落とせない汚れが付着した場合には、起毛素材に使用できる汚れ取りスプレーなどを使い、柔らかな布で汚れた箇所を軽く叩くようにして汚れを落とすと良いでしょう。

また、水分に強いディアスキンですが、濡れたまま放置するとシミやカビが生えてしまう原因になります。雨の日に使用した場合などは、水分を柔らかな布などで拭き取ってから保管するように気をつけましょう。

まとめ

今回は、雌の鹿から採れたレザー「ディアスキン」についてご紹介しました。

独特の風合いと柔らかな質感、耐久性・通気性に優れ水分にも強く、お手入れも簡単などメリットが多いディアスキン 。

一方、傷や摩擦などのダメージには弱いので注意が必要です。

ディアスキン製品を検討の際は、是非本記事を参考にしてみて下さいね。

ダメージに注意してディアスキンの美しい経年変化を楽しみましょう。