秋冬ファッション定番の素材「コーデュロイ」の歴史と種類とは?

アメカジの定番「コーデュロイ」。

現在の秋冬ファッションには欠かせない素材として、男女隔たりなく多くの人々に親しまれています。

そんなコーデュロイには、独特の畝によって種類や用途が分かれていることをご存知でしょうか?

さらにコーデュロイの歴史は実はあの「ルイ14世」との関わりがあることもご存知の方は多くはないはずです。

今回は、秋冬の定番素材「コーデュロイ」についてわかりやすくご紹介します。

1 コーデュロイってどんな素材?

コーデュロイ素材

1-1 タオルと同じ「パイル組織」の一種

コーデュロイは、タオルと同じ「パイル組織」と呼ばれる織り方で、パイル(輪奈(わな))を織り込んだ組織です。

厳密には、タオルは「たてパイル織り」ですが、コーデュロイは「よこパイル織り」。

「よこパイル織り」でよこ糸でパイルを作ったあと、パイルを切ることで毛羽立ちを作ってできるのがコーデュロイです。見た目は、たてに毛羽のコード状のライン(畝(うね))がはいっているのが特徴です。

1-2 保温性に優れた秋冬向けの服地

コーデュロイ素材は地厚で毛羽立ちと畝(うね)の凹凸が空気を含み、保温性に優れているため、一般的には秋冬の服地として使用されています。

さらに、摩擦に強く、コーデュロイで作られたパンツは、デニムジーンズに並ぶカジュアルウェアとして人気が高いのも特徴。

もともとは作業着で用いられた素材であったため地味な色合いのものが多くありましたが、最近では柄物やカラフルな色合いのファッションアイテムも存在しています。

老若男女幅広い層から親しまれている素材と言えるでしょう。

1-3 国産コーデュロイの9割は静岡県産

現在、日本国内で生産されるコーデュロイは、静岡県の磐田群福田町を中心とした地域で作られています。

しかも、国内生産のおよそ90%以上が福田町エリアで生産されているというから驚きです。

ちなみに福田町エリアで生産されるコーデュロイは「福田産コーデュロイ」とも呼ばれ、ナチュラルな光沢感、柔らかな肌触り、そして型崩れのしにくさが特徴。

その質の高さは、服飾業界からも評価を獲得しています。

2 コーデュロイの種類

コーデュロイにも様々な種類があることをご存知でしょうか?

それぞれ目安ではありますが1インチ(2.54cm)間にいくつ「WALE(ウェル、畝の英訳)」があるか、畝の幅によって名前が付けられているのです。

コーデュロイの主な種類

  • 「鬼コール」…1インチ間に畝が3本しかない、太い畝のもの。
  • 「太コール」…1インチ間に畝が6本前後。パンツやブルゾンなどに使用されることが多い。
  • 「中太コール」…1インチ間に畝が9本程度入る。スーツやジャケット、カジュアルなボトムに使用される。
  • 「細コール」…1インチ間に畝が15本以上。
  • 「極細コール」…1インチ間に畝が20本以上あるもの。シャツ素材に使用されることが多いため「シャツ・コール」とも呼ばれる。

上記のほかにも、毛羽を形成しない「アンカット・コール」や、花柄などのプリントを施したものまで数多くの種類が存在しています。

3  コーデュロイの歴史

3-1 始まりはフランス王朝期

コーデュロイの始まりは、フランス王朝期まで遡ると言われています。当時イギリスの織物業者が、ベルサイユ宮殿を造成したことでも有名なルイ14世に布地を献上したと伝えられています。

ルイ14世は、フランス宮廷の執事たちにこの布地を与え、それが制服として使用されたのだとか。

このことからこの布地が「Corde-du-Roi(王様の畝)」、すなわちコーデュロイと呼ばれるようになり、これが名前の由来になったと言われています。

その後、フランス革命によりルイ王朝が滅びます。19世紀以降はコーデュロイがイギリスに伝わり、主に上流階級の人々が狩猟や野外パーティを開く際のカジュアルウェアとして愛用されるようになりました。

3-2 日本では明治時代頃に発展

日本では、明治時代頃に草履や下駄の鼻緒の素材として使用されるようになったのが始まりとされています。

ちなみに、ひと昔前までは「コール天」と呼ばれるほうがポピュラーだったのだそう。

コール天という呼び名は、天鵞絨(ビロード)によく似た畝(コード)のある織物、ということからそう呼ばれるようになったといわれています。コード+天鵞絨の天=コール天ということですね。

鼻緒の素材として発展したコーデュロイは、明治27年から国内産の製造が開始されます。

1960年代になると、当時アメリカで流行していたアイビールックやアメリカンカジュアルスタイルが日本で流行し、その定番アイテムとしてコーデュロイもカジュアルに親しまれるようになりました。

4 コーデュロイ・ベルベット・別珍の違いとは?

コーデュロイと同じく、パイルを切って毛羽を作る織物の仲間にベルベット別珍(べっちん)があります。見た目はよく似ていますが、実はそれぞれ異なる素材です。

ベルベットとは、絹独特のなめらかな高級感のある織物で、パイルの密度が高いほど高級とされています。適度な光沢もあり、上品な雰囲気が特徴的です。

一方で別珍とは、ベルベットを綿で綿素材にした織物のこと。肉厚で暖かくソフトな肌触りが特徴ですが、高級感の点ではベルベットに劣ります。

ちなみにコーデュロイと別珍は、ともに「横パイル織り」で兄弟のような関係であるのに対して、ベルベットは「縦パイル織り」です。

このように一見似ているように見えても、原材料や織り方などは大きく異なっていることがよくわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

コーデュロイは今や「カジュアルの定番」として多くの人々に親しまれている生地です。

しかし、もともとはルイ14世への献上物であったことやその後イギリスの上流階級の人々に愛される生地であったとわかると、カジュアルだけでなくちょっとした正装にも取り入れてみたくなりませんか?

意外にもコーデュロイは、種類によって様々な顔を見せてくれるものです。

ぜひ、ご自身のコーデュロイアイテムをカジュアルシーンのみならず、様々なシーンに取り入れてみてください!