高級レザーの代名詞「コードバン」とは?馬の臀部から採れる希少な革について

レザー好きなら、一度は耳にしたことがある「コードバン」。

コードバンとは、馬の臀部から採れる上質なレザーのこと。高級革靴の代名詞「オールデン(ALDEN)」にも、コードバンが使われていることで有名ですよね。

いつか手に入れたいと思っている人も多いのではないでしょうか?

レザー好きを唸らせるコードバンですが、革の性質上、取り扱いが難しいというのも事実。

そこで本記事では、最低限知っておきたいコードバンというレザーの特徴・魅力、そして取り扱う上での注意点に至るまで詳しくご紹介します。

1 コードバンとは

馬の臀部「コードバン」

コードバンとは、馬(食用の農耕馬)の臀部から採れる皮革のこと。

数ある中でも特に希少性が高いことで知られる皮革の1つ。主に靴、お財布、鞄を始めとしたレザーアイテム全般に使われています。

繊維が非常にきめ細かく、しっとりとした肌さわりが特徴。使えば使うほどに増していく美しい光沢と上質な質感は、レザー好きを虜にするほど。

今でこそ高級な革素材として認知されていますが、日本で流通は1995年頃と比較的遅め。「キプリス」というレザーブランドが東京で誕生して以来、その人気は徐々に高まっていきました。

ちなみに当初は「コードバンとは何?」という人も多く、知る人ぞ知る素材だったようです。

2 コードバンの特徴

2-1 牛革の約3倍に相当する耐久性

コードバンの特徴の1つは、その優れた耐久性です。

その強度は、一般的な牛革の約3倍。

革製品の中でも耐久性が高い牛革に比べ傷がつきににくく、しっかりと手入れを行うことで5年、10年先も使うことができると言われています。

2-2 独特の光沢感とエイジング

コードバンの最大の特徴はエイジング(経年劣化)による、他の革にはだすことができない光沢感や質感ではないでしょうか。

時間が経てば経つ程、輝きが増していくと言われるコードバン。

その価値の高さから革のダイヤモンド、キングオブレザーとも呼ばれる程です。

例えば、牛革などの革製品にも光沢があるアイテムはありますが、その中でも「コードバンにしかだせない輝き」や「カッコよさ」があります。

使用すればする程エイジングを味わうことができる、そんな大人のアイテムがコードバンなのです。

2-3 希少性

コードバンは他のレザーと比べても希少性が高いことで知られています。

コードバンは農耕馬のお尻のごく僅かな一部分を採取しており、他の革素材とは違い皮膚の表面部分は使用しません。

馬のお尻の表皮を少しづつ削ると厚さ2mm程のコードバン層と呼ばれる繊維質があり、この革を削った内側の部分のみを使用するのです。

とは言っても実際表皮を削ってみたらにコードバン自体が存在しなかったり、小さ過ぎてコードバンが採取できないこともしばしば…。

加えて、近年では農耕馬自体が減少傾向にあります。頭数自体も少ない上に、1頭から採取できる皮革の量の少なさがコードバンの希少性を高めているのです。

3 馬革にも種類がある

馬革の種類

馬革には「コードバン」に加え、「ポニーレザー」「ホースフロント」「ホースハイド」の計4種類が存在します。

3-1 ポニーレザー

ポニーレザーとは体高147cm以下の小型の馬から採れる革のこと。

軽くて柔らかく、優しい肌さわりが特徴です。その軽さと柔らかさに反して摩擦にも強く、耐久性にも優れている点も大きな魅力の1つ。

バッグ、お財布、カードケースを始めとした革小物全般によく使用されます。

3-2  ホースフロント

ホースフロントとは馬の首〜前足部分から採れる革のこと。

繊維質がきめ細かくしっとりとした肌さわりが特徴ですが、前述したポニーレザーとは違って引っ掻きや摩擦などに対する耐久性は低め。

ライダースジャッケットなどファッションアイテムに使用される機会の方が多い部位です。

3-3 ホースハイド

ホースハイドとは、大人の馬から採れる革全般のことを指します。

他の皮革に比べて強度こそ劣るものの、独特の艶と風合いが特徴。ジャケットなどに仕立てれば、ドッシリとした重厚感が漂います。

現在は大人の馬を入手することが極めて困難であるため、市場に出回ることはほとんどありません。

4 コードバンを扱う上での注意点

馬革製のアイテム

4-1 汗・水濡れには細心の注意を

牛革の約3倍の強度を誇るコードバンですが、水や湿気に弱いというデリケートな一面も。

もし、濡らしてしまった場合は乾いた布を使ってできるだけ早く拭き取るようにしましょう。水に濡れてから放置した時間が長ければ長いほど、回復が難しくなってしまいます。

また濡れてしまったからといってドライヤーや直射日光で乾かすのはNG。

革の性質が変わってしまいせっかくの質感が台無しになってしまう可能性もあります。

4-2 他の革と比べて傷が目立ちやすい

コードバン特有のスムース(なめらか)な表情だからこそ、傷が付きやすいという欠点もあります。

もし傷をつけてしまった場合には、専用クリームでの応急処置を行いましょう。完全に傷がなくなるということでは無いですが、早めの対応が傷が目立たなくなるなります。

ただし、小さな傷に関しては、使用していく中でどうしてもついてしまうものです。

使い込むことで傷も目立たなくなりますし、その傷も「味」として捉えることもできます。

5 コードバンと長く付き合うために

コードバンと長く付き合っていくためにもお手入れは必須。お手入れを怠るとせっかくのコードバンが台無しになってしまうこともあります。

5-1 日常的なお手入れはブラッシング + 乾拭きで

普段のお手入れは、ブラッシングで毛穴に詰まったチリやホコリを取り除き、柔らかい布で乾拭きする程度でOK。ブラッシングも乾拭きも擦らず優しく行うのがポイントです。

ちなみにブラシの素材は、革製品全般に使用可能な「馬毛ブラシ」がオススメ。

クロス(布)に関しては、デリケートなコードバンを傷つけないためにもフランネル素材の柔らかいクロスを使いましょう。

5-2 定期的にクリームで油分の補給を

コードバンの美しい光沢感をキープするためにも、1~2ヶ月に1回程度のペースを目安に、クリームを使って油分と栄養を補給しましょう。

クリームを使用する際は、ブラッシング→クリーム→ブラッシング→乾拭きの手順で行います。

最も重要なのは、クリームを塗る前のブラッシング。革の表面には、ホコリや汚れはもちろん以前使用した古いクリームが残っている場合も。

ブラッシングを行うことで、繊維の間に入り込んだ不純物を取り除き、新しいクリームが浸透しやすくなります。

ブラッシングを疎かにしクリームを塗り込んでしまうと、ホコリや汚れの上から上塗りする形になるため、クリームが浸透しにくく、せっかく出るはずの光沢が鈍ってしまうこともあるため注意しましょう。

まとめ

今回は、ホースレザーの中でも臀部の一部からしか取れない「コードバン」について詳しくご紹介しました。

コードバンは牛革を始めとした他の皮革に比べて耐久性も高く、使い込むほどに美しい光沢と風合いを楽しむことができるという点が大きな魅力です。

丁寧に使えば一生モノになること間違いなし。

ただし、水濡れや引っ掻きに弱いなどデリケートな一面もあります。定期的なお手入れを行って、美しいコードバンの質感を維持するのがポイントです。

ホースレザーの興味のある方は、コードバンの製品も併せて検討してみてくださいね。