夏でもヒンヤリ快適!接触冷感素材の特徴や仕組みを詳しく解説

皆さん、「接触冷感」という素材をご存知でしょうか?

接触冷感とは文字通り触るとひんやり冷たく感じる生地。寝具などによく使用される素材で、特にこれからの季節を快適に過ごすには重宝します。

接触冷感はよく”生地自体が冷たい素材”と勘違いされてしまいますが、それは間違い。触れた部分が冷たく感じるのには他に理由があります。

今回はそんな接触冷感について、その特徴や仕組みについていくつかの具体例をあげながら紹介していきます。

1 接触冷感とはどんな生地?

接触冷感とはどんな生地?

1-1 接触冷感が登場した背景

今はすっかり世の中に浸透している「クールビズ」。この施策は2005年に夏の電力不足解消のための節電アクションとして政府によって提唱された施策です。

その一旦として政府サポートのもと、日本の繊維メーカーによって進められたのが接触冷感素材の開発。

暑い日でも衣服の内部を快適に保つことができるため、クールビズを推し進める過程でこの素材が注目されていったという背景があるそうです。

1-2 接触冷感の仕組み

よく勘違いされやすいのですが、接触冷感=冷たい素材ということではありません。

なぜ接触冷感の生地がひんやり冷たく感じるのか、その仕組みは繊維がもつ3つの特徴が関係していると言われています。

接触冷感を実現する3つのポイント

  • 熱伝導率の高さ
  • 繊維に含まれる水分
  • 触った時のシャリ感

1-2-1 熱伝導率の高さ

そもそも人の肌には熱伝導という、肌が物体に触れた時に触れたものに対して熱が移動するという性質があります。

熱伝導率が高い素材は多くの熱を奪ってくれるため、結果的に触れた部分が冷たく感じるというわけなんですね。

1-2-2 繊維の中に含まれる水分

水分を多く含む親水性の高い繊維の特徴として、吸水性発散性が高さがあります。

このような特徴を持った繊維は素早く水分を吸収し、繊維の中の水分を発散させる時に周囲の熱を奪う作用が働くと言われており、生地の内部を常に快適に保つことができるんだそうです。

1-2-3 触った時のシャリ感

肌に着かず、清涼感のある生地の風合いは「シャリ感がある」と表現されることがあります。

シャリ感のある生地は触れたところが涼しく感じると言われており、夏物の洋服にもよく使用されることが多いんだとか。少し硬さのある麻など、シャリ感がある素材としてイメージしやすいのではないでしょうか。

2 接触冷感の代表的な素材

接触冷感は前述したような特徴をもともと持っている繊維や、プラスαとして人工的に高機能な接触冷感の効果を与えられた素材のことを指します。

接触冷感にはどのような繊維の種類があるのか、感じる冷たさの基準となる指標と比較しながら見ていきましょう。

2-1 接触冷感の基準となる数値

接触冷感を表す数値として「q-max(キューマックス)」という指標があります。

q-maxとは”最大熱吸収速度”のことで、熱の移動量を数値化したもの。数値が大きいほどより熱が移動する量が大きいため、肌に触れている部分がより冷たく感じるんだとか。

接触冷感素材が使われている製品表示によく使われるq-maxですが、目安として「0.2〜0.3で優しいひんやり感」「0.4で標準的なひんやり感」「0.5以上で強いひんやり感」を肌で感じることができると言われています。

2-2 接触冷感に優れた繊維

接触冷感に優れた繊維はいくつかありますが、私たちの衣類でもよく使われている身近なもので言えば、天然素材である、化学繊維ではレーションキュプラポリエステルナイロンなどがあります。

q-maxの数値を用いて、繊維ごとに感じる冷たさの度合いの比較を表にまとめました。

比較の例として、q-maxがとても高いコンクリートの数値は0.6。繊維の中ではポリエチレンという繊維が 0.45以上と他の繊維と比べても接触冷感が強いと言われているそうです。

接触冷感に優れた繊維のq-max比較(身近な繊維のみ抜粋)

繊維 q-max
0.35〜0.4
0,3
レーヨン 0.3〜0.35
ポリエステル 0.3〜0.35
ナイロン 0.3〜0.35

3 接触冷感の注意点

3-1 吸湿性と吸水性

肌に触れた部分がひんやり感じる接触冷感ですが、吸湿性吸水性のない素材を選ぶのは要注意。

吸湿性や吸水性が低い場合、体から発散される気化熱をうまく吸収することができず、衣服の中がムレてしまいせっかくの接触冷感もあまり意味がないものになってしまうんだとか。

前述した生地の中ではナイロンやポリエステルといった繊維は吸湿性、吸水性が低いと言われています。接触冷感の繊維を選ぶ際は吸湿性と吸水性が高い素材を選ぶとよいでしょう。

3-2 接触冷感って洗濯して大丈夫?

接触冷感素材は一般の洗濯機で洗濯しても全く問題ありません。

ただし、接触冷感素材には熱に弱いという弱点があります。高温で乾かす乾燥機などを使用してしまうとその効果が薄まってしまう可能性も…。

洗濯後の乾燥機の使用は避けるようにするのがオススメです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

暑い季節には大活躍してくれること間違いないな素材、接触冷感。その仕組みや繊維の種類など、意外と知らないことが多かったのではないでしょうか。

肌に触れた時にひんやり感じるのは、高い熱伝導率と親水性、また風合いにシャリ感があるという特徴が優れた繊維が使われた生地。それ以外にも人工的に作られた高機能な接触冷感素材もたくさんあります。

本記事で紹介した内容を参考に、今年の夏は接触冷感素材のアイテムを取り入れてみるのはいかがでしょうか。