デリケートなヌメ革のお手入れってどうやるの?素材とメンテナンス方法の基本

レザー好きを唸らせるヌメ革のアイテム。

使い込むほどに味わい深い経年変化を楽しめる反面、数あるレザーの中でもかなりデリケートな素材であることをご存知でしたか?

粗雑に扱っているうちに、汚れやシミができてしまいせっかくの雰囲気を大きく損ねてしまうことも。

そこで今回は、ヌメ革のアイテムを長く使っていく上で最低限知っておきたい素材の基本や日常的なお手入れ方法に至るまで詳しくご紹介いたします。

ヌメ革のアイテムをお持ちの方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1 お手入れ前にチェック!ヌメ革の基本

ヌメ革

具体的なお手入れ方法を紹介する前に、そもそもヌメ革とはどんな素材なのかについて基本的な知識を確認しておきましょう。

1-1 ヌメ革とは「タンニン」で鞣した革のこと

ヌメ革とは、「タンニン」と呼ばれる植物性の樹液を使ってなめした革のこと。タンニンを使って鞣すことで、天然皮革ゆえに起こる柔軟性の低下や革自体の腐敗を防ぐ目的があります。

この独特の鞣しの工程から、ヌメ革は「タンニンレザー」や「ベジタブルタンニンレザー」と呼ばれることも。

何年も使い込んでいくうちに革自体の油分がゆっくりと染み出し、徐々に深まっていく色合いは、ヌメ革における素晴らしい醍醐味の1つです。

以下の記事ではヌメ革の特徴や経年変化について詳しく紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

1-2 丈夫で長持ち、ただし水濡れには弱い

ヌメ革は、他のレザーと比べて繊維の密度が高く丈夫であると言われています。

密度が高くしっかりしている分、革自体の弾力性や伸縮性は低いものの、ガシガシ使い込んでもへこたれないタフな質感が大きな魅力です。

ただし気をつけたいのは、水濡れには非常に弱いということ。

ヌメ革は表面にコーティングが施されているわけではないので、小さな水滴であってもシミとして残ってしまう可能性があるのです。

2 味わい深い経年変化にはお手入れが必須

ヌメ革は丈夫で長持ちする上に、経年変化も楽しめるのが大きな魅力です。

しかしながら、適当に扱っていると意図しない傷やシミばかりが目立ってしまうこともあります。ヌメ革独特の味わい深い経年変化を楽しみたいのであれば、定期的なお手入れは必須。

神経質になりすぎる必要はありませんが、正直なところヌメ革の質感を見れば、普段どのように扱っているかがおおよそ判断できてしまいます。

ヌメ革は、持ち主のライフスタイルはもちろん、レザーに対する姿勢がダイレクトに反映されます。良い意味でも悪い意味でも非常に正直な素材なのです。

定期的に自分でメンテナンスを行うことが、ヌメ革の持ち味を生かす上でとても重要になってきます。

3 ヌメ革は「日光浴」でエイジングの下地作りを!

新品のヌメ革製品を購入したらまず日光浴でエイジングの下地作りから始めましょう。

新品のヌメ革は表面に何もコーティングされていない状態です。

このまま使用すると意図しない傷やシミができやすく、綺麗なエイジングを楽しむことができなくなってしまう可能性もあります。

なのでまずは日に当てて、革の内側の油分を染み出させてあげることがポイントなのです。これにより表面が程よくコーティングされ、綺麗な経年変化を楽しむことができるようになります。

目安は3週間〜1ヶ月程度と言われていますが、自分の好みの色になったら使い始めてOKです。

4 【基本編】日常的なヌメ革のお手入れ方法

下地を作った後は、ガシガシ使い込んであげましょう。ただし、ヌメ革独特の美しいアメ色のエイジングを実現するためには、日常的なお手入れが必須。

お手入れに必要なグッズは主に以下の3つです。

  1. 馬毛ブラシ
  2. 市販のヌメ革用レザークリーム
  3. 布(不要なものでOK)

4-1 馬毛ブラシでこまめに汚れを落とす

ヌメ革はとてもデリケートな素材です。使用後はこまめに靴用の馬毛ブラシで、優しくブラッシングしてあげる習慣をつけましょう。

ブラッシングをすることで革の表面が滑らかになり、自然なツヤ感が生まれるようになります。

特にお財布やカバンなどは角の部分にホコリなどが溜まってしまいます。隅まで念入りにブラッシングしてあげることがとても大切です。

4-2 専用のレザークリームで丁寧に保湿

ヌメ革は定期的に専用のレザークリームを使って丁寧に保湿してあげましょう。

革製品は生きていた動物の皮(天然皮革)を使って作られています。動物の皮を使用しているということは、人間の肌と同じようにそのまま放置しておくと表面が乾燥してしまうこともあるわけです。

革製品にとって乾燥は大敵。劣化のスピードを早めてしまう可能性もあります。

革の表面がカサついてきたら油分不足のアラートです。保湿を行う際には、以下のような手順にしたがって行いましょう。

ヌメ革の保湿のやり方

  1. 不要な布を使ってレザー表面のホコリを落とす
  2. 布にクリームを少量つけて全体に塗り広げていく
  3. クリームが一箇所に偏らないよう注意しながら均一になるまで伸ばす
  4. 最後に陰干ししてクリームを乾かす

4-3 保管は風通しの良い場所で

ヌメ革はできるだけ風通しの良い場所で保管しておくようにしましょう。

お財布やカードケースなど毎日使用する物はともかく、カバンなどの大きめのアイテムはついついクローゼットの中に適当にしまってしまいがちです。

特に湿度は革製品の大敵です。もししばらく使用しない期間ができてしまう場合は、通気性の良い場所にしまっておくようにしましょう。

可能であれば湿気取りやシリカゲルなども使用することで、革の劣化を抑えることに繋がります。

4-4 必要に応じてヌメ革用の防水スプレーも利用する

水濡れを何とかして避けたい場合には、ヌメ革用の防水スプレーも試してみると良いでしょう。スプレーは通販サイトや百貨店などで2,000円前後で販売されています。

使い方はとても簡単。

まずはスプレーが飛び散っても大丈夫なように、下に新聞紙などを敷きます。革表面の汚れやホコリを柔らかい布で拭き取ったら、30cmほど離してスプレーを吹きかけるだけ。

部分的にムラができないよう、全体的に満遍なくスプレーしていきましょう。仕上げに、風通しの良い場所でしっかりと自然乾燥させたら完成です。

防水スプレーを使用する際には、マスクを着用し、必ず風通しの良い場所で行ってください。誤ってスプレーを吸入してしまうと、肺炎などを引き起こす可能性もあります。

5 【応用編】水濡れや汚れが付いてしまった時のお手入れ方法

ここまでは、日常的なお手入れ方法について説明してきました。

ここからはちょっと応用編。雨天の日に使用したことによる水濡れや、食事中の汚れが付着してしまった時など、ヌメ革がピンチの時に覚えておきたいお手入れ方法です。

もちろん全く汚さずに使うことは難しいですが、適切に対処することでシミや汚れを最小限に抑えることができます。

お手入れの前には以下の5つのグッズを用意しておきましょう。

  1. 馬毛ブラシ
  2. 市販のヌメ革用レザークリーム
  3. 市販のレザー用クリーナー
  4. 乾いた布
  5. 革磨き用のクロス

5-1 水濡れはすぐに拭き取りクリームで保湿

なんども説明している通り、水濡れはヌメ革の大敵です。特に購入してしばらくの間は、ちょっとした水滴でもシミになってしまう可能性があります。

もし水に濡れてしまったら、できるだけ早く乾いた布で拭き取りましょう。

革に水が浸透してしまってからではアウトですので、とにかくスピードが命。水滴がヌメ革の内側に染み込んでシミを作る前に、すかさず拭き取って乾すようにしましょう。

乾燥後は、前述した手順に従ってレザークリームで保湿してあげるのが理想です。

5-2 汚れは専用クリーナーで優しく落とす

大切に使っていても、毎日使っていれば汚れが付着してしまうことも当然あります。

もしブラッシングや布でも取れないような汚れが付着している場合は、革専用のクリーナーを使って優しく落としましょう。

内側にまで染み込んでしまっている汚れを完全に落とすことは難しいですが、クリーナーを使用することでシミが目立ちにくくなります。

クリーナーを使って汚れを落とす手順は以下の通りです。

専用クリーナーを使ったお手入れのやり方

  1. 不要な布を使ってレザー表面のホコリを落とす
  2. クロスに専用クリーナーを少量つけてクロス自体に馴染ませる
  3. 汚れの気になる箇所にクリーナーを塗り広げていく
  4. クリーナーが一箇所に偏らないよう注意しながら均一になるまで伸ばす
  5. 陰干しして乾かす
  6. クリーナーが残らないよう最後に乾いた布で拭き取る

6 【番外編】お手入れ最終手段「水漬け」は慎重に

最後は番外編と称して、ヌメ革お手入れの最終手段「水漬け」についてもご紹介します。結論から申し上げると、筆者自身、この方法はあまりおすすめ致しません。

水漬けとはその名の通り、ヌメ革を丸々水に浸してしまうお手入れ方法のこと。

水濡れによる部分的なシミが気になる場合に、「本体を丸ごと濡らしてしまえば差がなくなってリセットできる」という何ともアクロバティックな対処法です。

レザーの大好きな玄人の方が時折この方法を用いることもあります。やるかやらないかは別として、一応、簡単な手順だけ確認しておきましょう。

最終手段!ヌメ革の「水漬け」のやり方

  1. ヌメ革製品が丸々浸かるくらいの洗面器もしくはバケツに水を張る
  2. 水を張った容器にヌメ革を漬ける
  3. 1〜2分浸したら取り出し、タオルで優しく水気を拭き取っていく
  4. 形をしっかりと整え、風通しの良い場所で陰干しする
  5. 乾いたら全体にレザークリームを塗り込んで油分を与える
  6. 最後にもう一度乾かす

しかしながら初心者がこの水漬けを行うと、失われたヌメ革の油分をしっかりとリカバリーできず、結果として劣化を早めてしまうことにも繋がります。

水漬けはあくまで奥の手として考え、もしどうしても行いたい場合には慎重に検討しましょう。

まとめ

今回は、ヌメ革を扱う上で欠かせない素材の基本やお手入れ方法を中心にご紹介しました。

本革のアイテムはガシガシ使い込んで経年変化を楽しむのが基本ですが、ヌメ革に関してはとりわけ日常的なメンテナンスが重要になってきます。

ブラッシングとオイルケアを基本に、もし水濡れがひどい場合にはしっかりと拭き取って、専用のクリームでしっかりとケアしてあげるようにしましょう。

愛情を注いだ分だけ、豊かな表情を見せてくれるはずです。

ブラシや専用クリームをお持ちでない方は、形から入ることも大事です。まずは基本的な道具を揃えるところからスタートしてみてはいかがでしょうか?