ちょっとした近場の買い物からお出かけまで様々なシーンで大活躍してくれるキャンバストート。
タフな素材感で季節や天候問わずガシガシ使えるのが魅力ですよね。しかし、お気に入りのトートを毎日ヘビーユースし過ぎるあまり、汚れやシワが気になり出した方も多いのではないでしょうか?
誰でも気軽に使えるアイテムである一方で、その正しい洗濯方法を知っている方は意外と少ないようです。
そこで今回はご家庭で簡単にできるキャンバストートの洗濯方法やメンテナンス方法に至るまで詳しくご紹介いたします。
1 洗濯前に知っておきたいキャンバス素材の特徴
洗濯の方法についてご紹介する前に、まずはキャンバストートに使用されている「キャンバス(canvas)」という素材の特徴についておさらいしておきましょう。
1-1 生地が厚くて丈夫
キャンバスの特徴としてまず挙げられるのが、生地が厚くて丈夫であるという点です。
実はキャンバスは元々、船の「帆」の部分に使われていた素材の1つ。強い海風の下でも使用してきたわけですから、毎日ガシガシ使い込んでもへこたれない抜群の耐久性にも納得ですね。
ちなみにキャンバスは日本語だと「帆布」と呼ばれることもあります。
1-2 独特の経年変化を楽しむことができる
キャンバスは、使い込んでいくことで独特の経年変化を楽しむことができます。
購入したばかりのキャンバストートの多くは、基本的に糊が付けられているためパリッとした質感です。この状態から使い込んでいくごとに徐々に表面の糊が落ち、生地が柔らかく自然な風合いへと変化していきます。
まるでリジットデニムのような経年変化を楽しむことができるというわけです。
1-3 ただし、シワとカビができやすいのが難点
キャンバス地は耐久性も高く非常に使い勝手は良いのですが、シワやカビができやすいというのがデメリットの1つ。
特に雨に濡れたキャンバスを風通しの悪い場所でそのまま放置しておくと、繊維の奥に黒カビが発生してしまうこともよくあります。キャンバスは生地が分厚い分、一度カビができると落としづらいというのも難点です。
さらに濡れた状態のキャンバスはシワがつきやすく、生地のシワを伸ばさずびしょ濡れの状態で乾燥させると、生地が縮んでシワシワになってしまうこともあります。
2 キャンバストートを洗濯したい場合は?
毎日使っていれば、シミ、皮脂、カビなどで汚れてしまうことはよくあります。
ここではキャンバストートを洗濯する際のポイントについて詳しく見ていきましょう。
2-1 家庭用洗濯機の使用は原則NG
結論から言ってしまうとキャンバストートを洗う際、家庭用洗濯機の使用は原則NGです。
先ほども説明した通り、キャンバストートの生地表面には基本的に「糊」が付けられています。この糊のおかげでトートバッグとしての形状をキープしつつ、あの独特のパリッとした素材感を作り出していたわけです。
しかしながら、洗濯機で洗ってしまうと摩擦や水圧によってキャンバス表面の糊が剥がれ落ちてしまいます。
結果としてせっかくのキャンバストートの風合いが失われてしまう可能性があるのです。
2-2 丸洗いするなら手洗いが基本!
もしキャンバストートを丸洗いする場合、基本的には洗濯機ではなく手洗いがおすすめです。
用意するものは、固形石鹸、洗濯用の中性洗剤、そしてトートバッグが浸かるサイズのバケツの3点。手洗いの際には、以下の手順を参考をしてみると良いでしょう。
手洗いの手順
- まずは生地についた皮脂汚れに固形石鹸を当てて汚れを浮かせておく
- バケツに38度前後のぬるま湯を張る
- 洗濯用の中性洗剤を入れたら、さらにトートバッグを入れる
- そのまま優しく押し洗いしていく
- 最後にぬるま湯で洗剤をよく落とす
ポイントは強く揉んだり擦ったりするのではなく「押し洗い」すること。また生地に洗剤が残っていると黄ばみの原因にもなりますので、最後はもう一度ぬるま湯でしっかりと洗い流してあげましょう。
2-3 洗濯後は風通しの良い場所で陰干しする
キャンバストートの風合いを維持するためには、洗濯後の「乾燥」がとても大事です。ちなみに手洗いした後、洗濯機の脱水にかけるのはNG!シワが強く残ってしまう可能性があるからです。
手洗い後、軽く水気を切ったら生地についたシワをしっかりと伸ばし、風通しの良い場所で平らに寝かせて陰干ししておきましょう。
シワだらけのまま干しておくと、乾燥後もそのシワが残ってしまうため注意が必要です。
2-4 部分洗いの方が適している場合もある
コットン100%の場合は丸洗いしても良いのですが、部分的に異素材を使用している場合は部分洗いの方が適しています。
例えば持ち手やポケットといった箇所に本革を使用しているような場合には、丸洗いすることで素材本来の風合いが失われてしまう可能性もあるからです。
もし部分洗いを行う場合には、以下のような手順で行ってみると良いでしょう。
部分洗いの手順
- 不要な布に中性洗剤を染み込ませる
- 洗剤を染み込ませた布で汚れた箇所をポンポンと叩いて汚れを浮かせる
- 汚れが薄くなったら軽く水で流す
- 乾いたタオルで水気を拭き取った後、シワを伸ばして自然乾燥させる
この方法でも取れない場合には、布ではなく歯ブラシに洗剤を染み込ませて擦る方法もあります。ただし、あまりに頑固な汚れの場合は、クリーニングサービスを利用した方がよいかもしれません。
3 キャンバストートはアイロン掛けしても良い?
洗濯乾燥後の仕上げとして、アイロンをかけたいと考える方もいらっしゃるはずです。
これに関しては、コットン100%のバッグであればアイロンがけをしても問題ありません。
なのでまずは製品表示タグを確認してみましょう。もし異素材が混紡されている場合は、各メーカーに取り扱いの方法を問い合わせた方が無難です。
コットン100%であることが確認できたら、素材の傷みを少しでも軽減できるよう当て布をしながらアイロンがけをしていきましょう。シワが取りづらい部分は、生地を抑えたり伸ばしながら行うと効果的です。
ちなみにアイロンは必須ではありませんので、あえてそのまま洗いざらしの自然な風合いを楽しむのも良いかもしれません。
4 日頃から実践できるキャンバストートのメンテナンス方法
丸洗いや部分洗い以外に、日頃から実践できるメンテナンス方法についてもいくつかご紹介いたします。
4-1 ブラッシングでこまめに汚れを落とす
日頃のお手入れには、ブラッシングがおすすめです。
キャンバス地は通常のコットン地に比べて厚さがあるため、繊維の奥に汚れがたまりやすいという欠点があります。ブラシならば、細い毛先が繊維の奥の汚れまでしっかり掻き出すことが可能です。
汚れた部分を軽く水で濡らしてからブラッシングしてあげると良いでしょう。
ブラッシング後は乾いた布なので軽く拭き取ってから、しっかりと自然乾燥させてくださいね。
4-2 小さな汚れなら消しゴムで対処可能な場合も
ごく小さな汚れであれば、消しゴムで対処可能な場合もあります。消しゴムは一般的なものでも構いませんが、もし可能であればキャンバス地専用の消しゴムを用意することをオススメいたします。
ちなみにCONVERSE社から、キャンバススニーカー用の消しゴムが販売されていますので、こちらを利用してみると良いかもしれません。
ポイントは、”軽く”そして”優しく”擦ってあげること。あまり強くこすると生地を傷めてしまう可能性もあるので注意しましょう。
4-3 雨に濡れた後はしっかりと乾かす
先ほども説明した通り、キャンバス地は濡れたまま放置しておくとシワだらけになってしまったり、カビを発生させてしまう可能性もあります。
雨に濡れたあとは、風通しの良い場所でしっかりと乾かしてあげましょう。
もし雨天時にキャンバストートを使用する場合には、あらかじめ防水スプレーや撥水スプレーを吹きかけておくのもおすすめです。
4-4 クローゼットに収納する際は除湿剤も一緒に
使わないキャンバスバッグをクローゼットに収納する際は、除湿剤(シリカゲル)を中に入れておくと良いでしょう。
クローゼットの中の湿気を吸って、キャンバスバッグの風合いが損なわれてしまうのを防ぐためです。ちなみにシリカゲルは百貨店や通販などでも割と簡単に手に入ります。
使い道が意外とたくさんあるので、まとめ買いしておくととても便利です。
まとめ
今回は、キャンバストートバッグの洗濯やメンテナンス方法についてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか?何となく洗濯しづらいイメージがあったかもしれませんが、ポイントさえ押さえておけばご家庭でも簡単にお手入れできてしまうのです。
その上、キャンバス地は元々丈夫で長持ちする素材ですので、しっかりとお手入れしてあげればかなり長くお使いいただけます。
自分でお手入れしながら何年も使い込んでいくうちに、きっと以前にも増して愛着が湧いてくるはずです。
お洗濯、お手入れの際には本日ご紹介したポイントをぜひ参考にしてくださいね。