カーフレザーとは?希少な牛革の特徴、種類、お手入れ方法を完全解説

牛革の一種であり、高級革として使われている「カーフレザー」。

しかしながら、カーフという単語が一人歩きするばかりで、そもそも「カーフレザーとは何なのか?」と訊かれた時に正しく説明できる方は少ないのではないでしょうか?

カーフは牛革の1種ではありますが、実はカーフと呼ばれるのは生後6ヶ月の子牛のみ。数ある牛革の中でも希少なレザーなのです。

そこで今回は、意外と知られていない「カーフレザー」の基本知識を中心に、その特徴、種類、お手入れ方法に至るまで詳しくご紹介します。

いまいち他の牛革と区別できていなかった方も、この機会にぜひ基本を押さえておきましょう。

1 カーフレザーとは?

カーフレザー

カーフレザーは、生後6ヶ月以内の子牛の革をなめしたものです。

別名「カーフスキン」とも呼ばれ、牛革の中でも非常にキメが滑らかで美しく上質な素材として知られています。

基本的に生後6ヶ月の子牛の革がカーフレザーとして分類されますが、まだ体の小さい子牛のため、一度に取れる革の量もわずか。そのため、カーフレザーで作られるアイテムは「高級品」として扱われています。

ちなみに、カーフレザー素材でよく間違われるのが「ベビーカーフ」です。

ベビーカーフは生後3ヶ月以内の子牛の革を使用しており、通常のカーフよりもより一層柔らかく繊細な質感に仕上がります。ただし、取れる量も極端に少ないため市場での流通量も少なめです。

2 カーフレザーの特徴

2-1 きめ細かく柔らかい

カーフレザーは生後6ヶ月の子牛の革を使用しています。そのため、成牛と比べて傷が少なくシワや毛穴が目立ちにくくツルツルでスベスベな質感が特徴です。

そのしっとりと繊細な肌さわりは、思わず頬ずりしたくなるほど。

革について詳しくない方でも、ひとたびカーフレザーに触れれば、一般的なレザーとは明らかに異なる質の高さに驚くことでしょう。

2-2 繊細ゆえに耐久性は低め

カーフレザーはキメが細かく繊細な肌さわりが売りですが、それは同時に欠点でもあります。キメ細かく繊細な分、成牛のレザーと比べて傷がつきやすく、強く引っ張ったりすると破れることもあるからです。

仮に強く引っ張ることがないにせよ、日頃から粗雑に扱ったりこまめなオイルケアを怠ったりすると、ひび割れを起こしてしまうこともあります。

持ち主のレザーに対する知識と愛情が否応にも反映されてしまう、難しいレザーでもあるのです。

3 加工によって変化するカーフレザー

カーフレザーは加工や製造の違いによって種類が分けられます。中でも代表的な4つの加工について、その特徴や魅力についてご紹介しましょう。

3-1 アニリンカーフ

アニリンカーフとは、「皮」が「革」になるための最終段階で、酸性の水性合成染料を使う仕上げをした革の事を指します。

仕上げする際、革の質感を損なわないように薄い染料を使うため、素材そのものが傷の少ないコンディションの良い革を使います。そのため、必然的に傷の少ないキメ細かい革にしか使われず、最も映えるのがカーフとなります。

アニリンカーフの価値は、革そのものの上質さと深い発色となるのです。

ただし、デメリットとして色アセや色落ちがしやすく、油シミになり昜いといった特徴があります。

3-2 ボックスカーフ

革が生後半年以内の子牛の革にクロム鞣し(鉱物系の水溶液に漬け込み皮を革にする作業)を施したカーフは、ボックスカーフと呼ばれます。

鞣し液の中に短時間浸けることにより硬さが残る反面、適度なハリがあり傷も付きにくく丈夫です。さらに煌びやかな光沢と、美しい発色もボックスカーフならでは。

経年変化後も草臥れた感じにならないため、購入当初の高級感をキープしたい方にもうってつけです。

3-3 スクラッチプルーフカーフ

「スクラッチプルーフ」とは傷がつかないという意味で、その名の通り素材を生かしつつも傷が付きにくい加工をしているカーフです。

クロム鞣したカーフを染色時に特殊な液状の薬品に浸けることで、革本来の風合いを最大限生かしつつ、日常使用でついてしまいがちな傷を防止することができます。

数あるレザーの中では表面の光沢が少なく、マットでサラリとした肌触りが特徴です。

3-4 コードバン風カーフ

ロム鞣ししたカーフの銀層を少し削り落として着色することで、コードバン風に仕上げたカーフレザーのこと。

本来、コードバンとは馬の臀部からとれる革ですが、一般の動物の革素材とは違い馬の臀部の革はとれる量も少なく貴重な革なため、生産量も少なく値も張ってしまいます。

一方でコードバンカーフなら、コードバン独特の美しい光沢感を再現しつつ値段はコードバンと比べると廉価で手に入れることができるのです。

4 カーフレザーのお手入れ方法

カーフレザーのお手入れ

カーフは他の牛革と比べて繊細で柔らかいので、軽く引っかくだけでキズが付いたり、日々使用で革が汚れたりと繊細故にお手入れが必要不可欠です。

そこで、ここからはカーフレザーのお手入れの簡単なやり方をご紹介していきます。

4-1 まずは丁寧にブラッシング

まずはじめに、馬毛ブラシを使ってブラッシングしてホコリやチリを落とします。

その際、ホコリやチリを丁寧に払うことを意識して、手首のスナップを利かせてブラッシングしていきます。ブラシには、豚毛や山羊毛、化学繊維の毛など様々な毛のものがありますが、一番適しているのは馬毛のブラシです。

馬毛ブラシは他の動物の毛を使ったブラシよりも細く柔らかいため、柔軟性があります。そのため、細かな箇所にまで入り込みやすく、隅々までホコリを取り除くことが出来るので最適です。

ちなみに、毛の柔らかさとしなやかさを持つ馬毛のブラシであれば、ホウキのように表面のホコリやチリを払い落とすことができます。全体をしっかりブラッシングできるよう持ち手がある程度大きいものがおすすめです。

4-2 クリームで油分を補給

牛革は数あるレザーの中で最もメジャーな素材ですが、弱点でもある「乾燥」と「水」から守らなければ、なめらかな肌触りも丈夫さも失われてしまいます。

そんな「乾燥」や「水」から守るために、水分と油分を補給するためのクリームを使用します。

クリームの中でも、デリケートクリームと呼ばれるものがおすすめです。

ちなみにデリケートクリームというのは、水分と油分で革に栄養を与える「乳化性クリーム」のこと。通常の乳化性クリームと比べて水分の配分量が多く、仕上がりがさらりとした肌触りになります。

4-3 布で磨いて艶出しを

ブラッシングでホコリやチリを落としクリームをなじませた後は、乾いた布を指先に巻き付けて塗り残しがあるクリームを丁寧に延ばしていきます。

この時、なるべく圧をかけながら絞るようなイメージで丁寧に磨くのがポイントです。

ただしそのままクリームが残ってしまうとクレヨン状に固まってしまい、見た目を損ねるだけでなく、革自体の呼吸の妨げにも繋がりますので注意しましょう。

5 豆知識!牛革の分類方法

ここまでカーフレザーについて説明してきました。冒頭でも触れたとおり、カーフレザーとは「生後6ヶ月以内の子牛の革をなめしたもの」のことです。

実は、この”生後6ヶ月”というのがポイントで、牛革は主に生まれてからどれくらいの時が経過した牛なのかによって、カーフを含め6種類に分類されています。

以下、カーフ以外の牛革について見ていきましょう。

5-1 ハラコ

ハラコとは、胎児~出産後間もない子牛の革のこと。

主に出産前に亡くなってしまった牝牛のお腹にいた腹子や死産した子牛から採取しているため、ほとんど市場に出回ることはありません。そのためハラコは最高級素材として扱われています。

ちなみに、通常販売されているものはポニーなどを「ハラコ」と称して販売しているケースがほとんどです。

5-2 キップスキン

キップスキンは、生後6ヶ月~生後1年以内の子牛の革のことを指します。

カーフスキンについで上質な皮であるとされていて、高級ブランドにおけるレザー製品に使われることが多い革です。繊維の密度はカーフスキンよりも高いため、薄くても強度は高くなります。

5-3 ステアハイド

ステアハイドとは、生後3ヶ月~6ヶ月の間に去勢をされ、なおかつ生後2年を経過した雄牛のことです。

去勢されていない雄牛と比べて革の質感が柔らかくなっています。厚みも均等で使いやすく、数ある牛革の中では最も一般的な種類の1つです。

5-4 カウハイド

カウハイドは、出産を経験した生後2年以上の雌牛のことです。別名、カウハイドレザーと呼ばれることもあります。

先ほどご紹介したステアハイドが雄牛であったのに対して、カウハイドは雌牛という点がポイントです。

厚さやキメの細かさや強度などは、キップスキンやステアハイドの中間くらいで、比較的大きな量が取れる為、大型のジャケットや鞄などに多く利用されています。

5-5 ブルハイド

ブルハイドは、生後2年を経過して、去勢されていないオスの革です。前述したステアハイドと同じく雄牛ですが、ブルハイドの方は去勢されていません。

牛革の中でも最も固く丈夫である一方で、柔らかさは全くありません。

また去勢されていない雄牛は活動的で決闘を繰り返すことも多く、体中に傷があることがほとんどです。レザー製品として加工した場合でも傷は残ってしまいますので、革ジャンなどワイルドなアイテムの素材に向いています。

まとめ

今回は牛革の1種として知られるカーフレザーについてご紹介しました。

カーフレザーは牛革の中でも高級革として有名です。革には様々な種類と特性がありますが、見た目の美しくさや、柔らかな肌触りはカーフレザーの持つ最大の特徴と言えるでしょう。

ですが、繊細で皮自体が薄いのであまりハードな用途には不向きかもしれません。ですので、財布や高級靴などが向いているかもしれませんね。

またカーフレザーは繊細な革素材ゆえに、軽く引っかいたりするだけでキズが付いたりします。普段から使用の際は丁寧に扱うように心掛け、使用後はしっかりとお手入れをしましょう。